出産前、産院で開かれている母親教室に夫と参加しました。

赤ちゃんの人形を使った沐浴練習。
私は初めての出産なので、至って真剣に赤ちゃんの体を洗う手順を聞いて実践、肌着の着せ方も紐が多くてややこしいなと思いつつもなんとか出来て。

もちろん夫もやりました。
ぎこちない感じで。

初めて親になるのだし、父親になる夫にも経験しておいて欲しいと純粋に思っての参加でした。


そして出産予定日。

産まれる気配が微塵もなく、私はひたすら歩いてひたすら部屋の拭き掃除をして。
巷で陣痛に繋がると言われる行動をとにかく取り入れて。

夫は仕事が終わってから1時間2時間、ウォーキングに付き合ってくれたり、むくんだ足を揉んでくれたり、家事を手伝ってくれたりと実に献身的というにふさわしい良夫ぶりでした。

私はずっと拒否をしていましたが、夫は出産に立ち会いたいと言って聞かず。

なんで?と聞いてもはっきりとした理由を言わない。

圧されるように許可するしかなくなったのですが、出産日当日。
予定日を過ぎ、ギリギリまで待っての計画出産、促進剤投与の出産でした。

急遽私の母親が駆け付けて入院の手続きから一緒にいてくれました。
入院したその日には産まれず、母は翌日も仕事の為ギリギリまで産院にいて一旦帰宅するとの事。

その夜、夫も仕事帰りに駆けつけましたが、今夜は産まれないという事で母と食事に外に出ました。

戻ってきた母がイラついていて何事かと思ったら、「夫さんに明日は仕事行くのか休むのかと聞いても休めたら休みますとかはっきりしないから、休めたらっていつわかるの?今会社に相談出来るなら今電話してきなさいって言ってやったんだ。だから今電話していると思う。明日にも産まれるかもしれないのに何のらりくらりしてんの」という愚痴。

なんかすみません…。

恐らく、この時まだ試用期間で休むとまるまる1日分の給料が減る事を考えてギリギリまで出勤しようと考えていたはず。
しかし、私の母にそれを告げるにはプライドが邪魔をする状態だったかと。
転職して生活が落ち着かない事を知られる事すら嫌だったはずですから。
答えようがなかったのだと思います。

そして色々ありましたが翌日、無事出産。

「宝物をありがとう」

夫が労いの言葉をかけてくれました。

しかし夫は、その宝物をたった2年余りで捨てる決断をしたのでした。


子供誕生後の夫に続きます。