手に残る感触 | 素敵やん

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偉人たちの言葉って、感動するやん、素敵やん。


組織とコストに責任を持ってリストラを遂行するということは、

結局のところ、

全然仕事をしようとしないヤツら、

座り込んで文句だけ言って頑張らないヤツら、

不満しかない寄生虫みたいなどうしようもないヤツら、


を刺しに行くことになる。




活躍できなかったのはマネジメントの所為ではあるけれど、


古きよき大企業ではないから、

ましてや、嵐のなか沈みゆく小さなボロ船、


もう余計な荷物は抱えてなんかいられない。




誰だ、こんなに小さな船にたくさん荷物を積んだのは。

なんだ、この使えないエンジンは。

飲み水は積んでないのか。


今更言っても仕方がない。







覚悟が違うから、怖くなんかない。



口先だけのオッサンらとは違うんだ。

数字をつくり、組み立てているのは僕だ。

一通り終わったら、

トップライン側にもメスを入れてくんだ。






徹底的にやり切ると決めたんだから。


ゴールはどこかよく分からないけど、

とにかく絶対になんとかしてみせるからナ。




そこまでやって何ともできなければ、


そのときは好きにしてくれ。




だから、ゴメン、





と言いながら、クッと刺す。



正面からみぞおちめがけて。









すると、刺してみて分かるが、


普段どんなにフニャフニャしている

やる気のまったくないヘタレなヤツでも、

仕事を全然しようとしない本当にどうしようもないヤツでも、

できない理由ばかり述べて寝そべってるだけのヤツでも、


最後はみな暴れる。





刺した後、その首に両手をかけ、


パンパンに張った両腕にグッと力を入れて

絞るようにして首をギリギリと締めつけていると、



息絶える直前に、みな、


血走った眼を大きくひん剥いて

ビクビク痙攣しながら結構な力で暴れるのだ。



それでも更に力をこめて締めていると、

やがてすっと動きが止まる。






こんなヤツら、

大きな顔してずっとまともな仕事もしないで文句ばかり言ってて

会社や事業や仕事に愛着がある筈はないのに、

死ぬ直前に、なぜ暴れるのか。


どうも、生活のためにしがみつく

といったことでもないようだ。

ただ、自分が否定されたという


決して認めたくない事実を受け容れられない


身体の拒否反応のような気がする。





中途半端なプライドなんて持っていたから

まともに仕事ができなかったんだろうに、


そのプライドが最後の抵抗を示して暴れるとは、


なんとも皮肉なことだ。








そして。


やはり、どうしても、

手にそのビクビクと痙攣したときの感触が残る。


ニオイが染みついて、

洗っても洗っても

いつまでも取れない気がするんだ。






僕は何をやってるんだろうか。


コレで正しいのか。


僕は合っているのか。




手に残った感覚が僕を苦しめる。





苦しいな。





なんだろう。この感じは。





なんだか力が入らないよ。


眠くなってきた。





あれ、なんだろう。

お腹から血が出ているよ。

ものすごい量だよ。


視界がモノクロになってきたよ。

ああ。ベロンとはみ出しているのは腸だね。







そうか。僕も刺されたんだね。







ありがとう。


これで苦しまなくても済むよ。


ところで、君は誰だい?







ビクビクビクッ








という終わり方もいいかな。


なんて。









いいや。


諦めないからな。絶対。