とある上場企業。
1年目の社員。超新星フレッシュマン
。
入社してしばらく、まだ仕事はちゃんと覚えられてないけど、
でも、電話をとるのだけは誰よりも早い。
今はそれが仕事。
下積みだ、なんて思っちゃいない。
ハキハキ、ハツラツ、
元気よく、ただ元気よく、電話を取り次ぐ毎日。
モチベーションが異常に高いカルトチックな社風に結構馴染んでしまっていて、
まんざらでもない居心地。
よしっ、今日も電話をガンガン取るぞぅ!
スーパーイントロドンのヤックンよりも早く取るぞぉ!
そんな折、株価が大幅に下がりまくり、
怒り狂った株主さまから超ゲキ詰めハイテンション電話がかかってきた。。。
電話に出るや否や、相手が誰なのかも確かめず、
一気にまくしたててくる。
これから、今すぐに、電話の最中に死んでやる、と。。。
ピ(外線のランプが光った瞬間、音が出る間もなく)
シャキーン(誰よりも早く、どこの誰よりも早く、受話器を掴む音)
ヨシッ
「あ、もしもし、○○株式会社でございます。」
オイー、おたくの株価、いったいどうしてくれるんだっ!!!
借金をして全部おたくの株につっこんだら、
半分になっちゃったじゃないか!!!
上がるって約束だっただろうが!!!
オイ、コラー!!
こうなったら、もう生きていけない。
おたくの所為だ。
死んでやる、今ここで死んでやるからな。
黙ってんじゃないよっ!!!オイ、アンちゃん。
冗談じゃないからな。
今ここで、手首を切ってやるからな。
よし、これから死ぬぞ。3秒後だぞ。
今すぐ死んでやる、
絶対に死んでやる、死んでやるーーー!!!
「あ、あの、
少々お待ちください・・・」
そう、取り次ぐのが仕事。