- 以前、まりも氏に薦められた絵本。
タイミングを見計らっていたが、
最近、自分を見失いつつある状況にあるので、
読んでみた。
- 村上 龍, はまの ゆか
- シールド(盾)
昔から、会社に”削られている”感覚の強かった僕には
とても興味深いテーマでした。
君のシールド(盾)は何ですか?
僕のそれは、今のところ
①自信
②友人
そして
③運(Luck)
かな。
確かに、若いころはずっと、
わざと斜に構えてあまのじゃくに振舞うことで、
すべての本質に対して真正面から向き合うことを避けてきた、
という感覚はある。
外部からのインプットをすべて素直に受容してしまうことで、
自分というものがいなくなってしまうのではないか、
自分を失ってしまうと環境の変化に対応できなくなるのではないか、
外部の影響を受け過ぎると、
何かがうまくいかないときに外部の所為にして逃げてしまうのではないか、
という気持ちが強かった。
オマエらみたいな自分を持たない単細胞なアポンとは一緒じゃないんだ、
といつもそう思い込んでいたかった。
そうじゃないとつらかったし、焦りの気持ちが抑えられなかった。
おそらく、自分の弱さを知っていたからだろう。
実際、そんな弱い自分とまともに向き合い、
そんな情けない自分を自分以外の誰かに見せるのなんて
若い自分には恐ろしく恥ずかしかった。
己の内なる神に祈る、と思っていたけど、
そんな己の内側には、
犬のクソみたいにちっぽけでカスカスの自分しかいないんだ、
と分かっていたし。
そんな犬のクソみたいなのでも、
一生この僕自身が守ってあげないとどうにもならない、
と思っていたし。
ふと気を抜くと外側にできるシールドに頼ってしまう自分もいて、
だから、20代のボクは、
外側のシールドをいつも壊しにかかっていたし、
内側のシールドを徹底的に固めにかかっていた。
覚悟の量で負けない、気持ちで負けない、とことんまで逃げない、
決めたことにはとことんまでコミットするんだ、
と言い聞かせ続けてきた。
そこだけにはこだわってきた。
外部の環境にまったく左右されない、
自分に限りなく近い絶対的なシールドが早く欲しかった。
そして、
内側には、
確かに「自信」というシールドができていたように思う。
しかし、そのシールドは、
環境の変化とともに、もろくも崩れ去った。
絶対的シールドではなかったのだ。
決めたことには究極にコミットするのだが、
だからこそ、
コミットすることをなかなか決めない自分が
新たに生まれてきたのだ。
眠れる獅子が目覚めないのだ。
そのうちに獅子は年老いて、爪も筋肉も錆びつき、
ただの不吉なネコに成り下がる。
でも、まだ目覚めない。
家族というシールドはあるのかも知れない。
だが、それは、自分の内側のシールドではない。
言葉もできない海外に行って、
裸の自分で一から勝負してみたい、
という衝動にかられる。
現実逃避の気持ちではなく、
内側の自分が弱いまま
とうとうオッサンになってしまった自分に焦るのだ。
少なくとも今、自分自身には、シールドはない。