ホックが寝る頃に、窓に人影があった。

「よう。」

聞き覚えがある声だった。

「アクイ!?」

「そうだ。俺だ。」

「何で!?」

「人手が必要だ。それもダンガン使いっていう同朋がな。」

アクイは手元に数枚の写真を出した。

「今日やろうと思っていた計画があったんだが、相方に裏切られた。」

一枚の写真を指差す。アクイの横に映っているのが恐らく相方なのだろう。

「こいつはダンガン使いじゃなかったんだが、妙にウマが合ってな。信用してみたらそいつ、計画のこと全部警察隊にチクってやがった。」

続いて隣の写真を指差す。

「こいつはシンシア。俺の恋人なんだが、現在はダンガン使いってことで捕らえられている。」

「…えっ?ダンガンがあれば簡単に脱獄できるんじゃないの?アクイみたいに。」

「それは2つの誤解がある。まず1つはダンガン使いは専用の牢獄に入れられるんだ。ダンガンの力を使ってもびくともしねぇ。もう1つは、俺は脱獄してない。」

「えっ?」

「ウワサって怖いな。昔には嘘を信じさせる能力を持った悪魔がいたらしい。」

にわかには信じられない。目の前にいる男は確かに悪意を持った顔をしている。