我々にとって「保険」という言葉は非常に身近なものであるが、それがどういうもので我々の生活にどのように関係しているのかをはっきりと理解している人は少ないように思う。

そこで今回は改めて「保険」というものについて少しだけ考えてみようと思う。
・保険とは
保険とはなんだろうか。 簡単に言えば万が一の場合に備えてお金を払っていることで万が一のときにお金を融通してもらう仕組みのことを言う。
通常、我々は消費者としてほしいものがあればその代価(貨幣など)を支払うことによって購入する。しかし保険の場合は少し話が異なってくる。我々は確かに保険会社との契約に従って確実に定期的にお金を支払うが直接的にその代価(商品など)を受け取ることはない。
「保険」などという代物はないし、お金を支払ったからと言って何か特別なサービスを受けることもない。 では我々はこの世知辛い世の中でお金をどぶにすてているのだろうか?あるいは保険会社へ寄付でもしているのだろうか?
そうではない。確かに我々は代価として「商品」と受け取ってもいないしサービスを受けてもいない。しかし、我々は上述の通り、万が一のときに備えての精神的な安心感をもらっているのである。

つまり、前もって少しずつ積み立てをしていることにより、もしものときにまとまったお金を手に入れることができるという安心感を得ることができるのだ。
そう考えるとなんだか保険は貯蓄に似ているような気がする。我々の多くが銀行に個人口座をもっており、必要に応じて現金を出納している。これも精神的な安心感を得るための貯蓄と考えればたしかにそうであろう。 大きく異なる点はその頻度であろう。我々は障害を通して銀行にあしげく通うし、何度もお世話になる。しかし保険会社に何度もお世話になる人はまれであろう。 あるとしたらそれは保険詐欺師だ。
多くの人が保険制度に加入しており、お金を払っているが、実際に万が一の場合が発生し、お金を保険会社に融通してもらう人はごくわずかである。
生命保険にしても、自動車保険にしても疾病保険や傷害保険にしてもそうである。
多くの人から、言い方は悪いが、お金を巻き上げておきながら、実際にその恩恵を受けるのはほんの僅かである。しかしそれでも保険はしっかりとサービスとして成り立っているのである。 その鍵となるのは「我々は未来が見えぬ」という点に限る。
今日元気だからといって明日元気である保証などどこにもない。だから遠い将来のことを考えると我々はいいようのない不安にかられてしまうのである。であるから、例え自分が恩恵を直接受けることはなくても安心感を得るために保険に加入するのだ。むしろ一生、保険のお世話にかからないほうがいいのであろう。

積立は大事ある
タイムマシーンが開発されるとまっさきに倒産するのは保険会社ではないだろうか笑
何度も悪い言い方をして非常に恐縮であるが、保険会社とは端的に言うと、人々の将来の不安を食い物にして利益を得ているのである。
しばしば勘違いしている人がいるが、保険証券は商品ではない。なぜなら多くの場合、この契約の証拠である保険証券がなくても我々はそのサービスを享受することが可能であるからである。なぜだろうか。

非常に簡単な話である。例えば火災保険の場合を考えてみよう。そして非常に運が悪いことに君の家が家事になってしまったとしよう。命からがら家を飛び出して君は事なきを得たが家は全焼してしまった。 これは困ったと途方に暮れたがそこで君は思い出す。そういえば火災保険に入っていたと。これでお金を融通してもらえれば家を再建することだってできると。
そして君は訴えるのだ。火災保険の会社に。しかしもし彼らに「保険証書はありまっか?」と聞かれるとしよう。君はなんと答えるだろうか。
これが答えである。火事で命からがら逃げてきたのにのんびりと保険証書なんてとってくる暇あるわけねーだろぼぉけ という話だ。
以上のことから保険証書は商品としての価値はない。むしろ重用なのは証書そのものではなくて細かい、非常細かい保険約定に基づいた契約内容そのものなのだ。

ちなみにであるが、地震が発生したことにより火事が生じて家が燃えてしまった場合、多くの場合は保険金が下りないが現状である。保険会社により様々な約定規定があるであろうが地震による火事は泣き寝入りするしかない、命があっただけ儲けもんと思うほかないようである。
・保険の発生
まず、保険の起源について考えてみよう。 正確な起源というと難しいであろうがここでは14世紀の後半にイタリアで生まれが保険の考え方を見ていこう。
もともとは海上保険(船で荷運びをする際に万一転覆などで商品を運ぶことができずに損をした際にその損失を肩代わりしてくれる制度)である。1つの例を見ていこう。舞台は中世ヨーロッパ、ある貿易商人、ノブチカくんとお金持ちのショウマくんが出てくるぞ。

貿易商人のノブチカくんは船を使って購入した商品を外国に売りさばくことで利益を得ている。しかし、あるときふと思うのである。「いままで船が沈没してことはなく、無事に商品を届けることができた。しかし明日の荷物は運悪く台風にあたって沈没してしまうかもしれない。何があるかわからない」と漠然と不安にかられるのである。そこで頭の切れるノブチカくんはお金持ちで有名なショウマくんにある提案をする。
「明日、僕が外国へ送る積荷の代金を肩代わりしてくれ。その代わり、うまく商品を届けることができたら君に一定の利子を付けてお金を返そう。」
こちらも賢いショウマくんは思うのである。
「ノブチカは今まで何度も貿易航海を行っているが一度も沈没させたことはない。ならばこれからも成功させ続けるだろう。 もしそうなら自分は使っていないお金を流しているだけで懐に利子分のお金が転がり込んでくる」と。

かくして二人の間ではこのような契約が結ばれたのである。信用を売り、信用を買い、お互いが実益を得るのである。
このように保険とは商人たちのリスクの排除のためにうまれた。