書き起こし続き

伊)えーフラワーカンパニーズで元少年の歌ですけど、これアラフォーぐらいでたぶん作ってる

圭)はい、そうですね

伊)2010年

圭)2010年、あーそうか

伊)リリースになってます

圭)はい

伊)年齢重ねるごとに、僕はいつも詞がいいと思うんですけど

圭)はい、ありがとうございます

伊)詞の世界変わります?

圭)いや!あのー自分では変わったと思ってるつもりで書いてるんですけど、変わってないような気がしますね。なんか。意外に。変わってないねって言われることが多いですね。僕はものすごく年齢気にするので、あのーすごく変わったな、毎回変わってるなと思うんです。書く側は。でもリスナーの人から言われるのは「イヤー変わらないね、相変わらず」みたいな感じの…

伊)僕それはどうして起こるか、その現象、すっごいよくわかる!的確に外から説明できる!

圭)あ、本当ですか?教えてください

伊)自分変わってると思うわけですよね?

圭)思ってますねぇ!

伊)でもずっと聞いてくれてる人は変わんないねっていうわけですよね

圭)そうですね

伊)ようはあれ、人工衛星で言う静止衛星ってすごいスピードで動いてるってことです

圭)はいはい

伊)だから、聞いてる人も年重ねていってるから、それが変わってないって思うって言うってことは変わってるっていうってことなんですよ。しかも芯が変わらないまま

圭)なるほど

伊)っていうことだと思います

圭)一緒に回ってるってことですか?

伊)一緒に回ってるってことだと思う。これを28年前に書けるかって言ったらたぶん書けないと思うんだよ。「大人だって泣くぜ」って

圭)そうですね!そうかもしれないです。あ、書けないか

伊)そ、10代に

圭)書けないですね

伊)だけど、本当に思ってるちょっと情けないところをそのまま10代は10代なりの、40代は40代なりのを書くって意味では、変わってないと思う

圭)そうですね!うんうん

伊)僕、だからこれが普通に俺たちと同い年のおっちゃんが初めてこれ聴いた人にも刺さるような気はするんですね

圭)あ、嬉しいです。刺さってくれると嬉しいですね!本当に

伊)自分の中で詩を作る時のこう決めてる事とかこういうこと大体いつも考えてるとか

圭)いや、やっぱねぇ、時間!その年も、年齢も含めて、なんか詩っていうか、歌詞、ま、普通の詩でもそうですけど、大体ほぼ時間がテーマっていうか、生きてる人ってみんな大体そこにぶつかりません?あの、生きるとか死ぬも全部そうだし、ラブソングも言ったら恋愛も時間だと思うんですよ。結局。なんかやっぱり全部生きてる人のテーマって、時間なのかなぁって。大きく言うとですよ。それかなぁと思って。僕、特に年齢とか過ぎ去った時間とか、そういうの気にしちゃうタイプなので。時間を一番考えてるかもしれないです

伊)なるほどね。言われてみればいろんな曲の中に、前の自分の事とか、今の自分の事とか

圭)はいはい

伊)これからどうなるんだろうみたいなことは入ってるかも

圭)そうですね。はい。なんか昔、早川義男さんって方が、えー「ロックは今の事を歌う」と。で「歌謡曲は昔のことを思い返す」と。「フォークは明日のことを歌う」だったかな。そのようなことを言ってたんですけど、あ、なるほどなって、ちょっと違うかもしれない。もしかしたら、そんな感じのニュアンスのことを言われてて。あ、なるほどなって思ったんですね。ロックンロールって今、今この状態の現状のこと…

伊)うんうん、なんかわかんないけど、きついぜ、苦しいぜ、むかつくぜとか

圭)はいはい、今悲しいぜとか、そうそう。で、歌謡曲って割と昔のことを、昔の別れた男の人、女の人のこと歌ったりとか

伊)どうしてるんだろう、みたいな

圭)そうそう、はい。そういうのも全部含めると、やっぱりみんな歌って時間が軸になってるんじゃないかなーと

伊)だからいい意味でロックバンドって紹介するけど、なんとなくフォーク風味入ってたりとか歌謡曲風味入ってたりするのは、もしかしたらそういう事なのかな

圭)そういうことだったりすると思うんですね。はい

伊)たまに演歌風味入ってるやつとかも

圭)あります!あります!ありますね

伊)ありますもんね。そんな中、僕が聞いて欲しいやつは『ロックンロール』っていう曲なんですけど

圭)はい

伊)この曲、今から聴いてもらうんですけどね、五年ぐらい前にリリースされた曲なんですけど。僕の中では自分のラジオが、ここでいうロックンロールみたいにみんなに思って欲しいって、ちょっと思っていまして。ロックンロールをAMラジオって置き換えるとしっくりくる曲なんで

圭)嬉しいですね

伊)僕にとっては。えー、ちょっと聴いてください。フラワーカンパニーズ『ロックンロール』