我が家にはパグのメスが居る。
ブサカワ、なんて言われるパグだけど、我が家の犬はパグには珍しく受け口。常に下の歯が見えるアイーン顔なのだ。
ブサカワどころか、ブサブサで気の毒なことこの上ない。
もちろん私達家族にとっては、美犬なのだけれども。
そんなわけで、散歩をしていても「可愛い〜」という声とは無縁だ。
先日、いつものように散歩をしていると、小学一年生ぐらいの男の子二人と会った。
かわいい〜かわいい〜と遠巻きに言ってくれるもんだから、嬉しくなって「触ってみる?」と声をかけた。
パグ、顔に似合わず毛はフカフカで撫で心地抜群、自慢の首回りのフカフカを是非触らせてあげたい。
噛む?と聞きながら、可愛い声で近づいて来る男の子達。
噛まないよ、と答えるとパグの鼻先が届く距離まで恐る恐る近寄る。
フンフンと鼻息荒く少年のスネを嗅ぐパグ。
うひゃ〜くすぐった〜い、と身をくねらせる少年。パグのヒゲがズボン越しにもチクチクしたらしい。
ほらほら、ここがフワフワだよ、触ってみて、と促す私。
少年はおずおずと手の平を出す。
パグは嬉しくて、その手をペロペロ。
あっ、僕、手が汚いけど大丈夫?少年が慌てて言った。
見ると土で手の平が黒くなってる。
大丈夫、何しろこの犬は地面だって舐めるぐらいだから!
くすぐったい、と言いながらひとしきり手を舐めさせる少年達。
名前は何て言うの?と聞かれ、ココだよ、と教える。
ココって名前の犬多いよね、と少年達。
そう、ココは多い。なんでも犬の名前ベスト3に入ったこともあるらしい。以前、ドッグランで一緒になった可愛いトイプードルがココ、と呼ばれていて容姿が対極なのに同じ名前なのが申し訳なくなり、呼ぶのをためらうなんてこともあった。
ココの中では、きっとうちの犬が一番ブサイクだよ〜と少年相手に大人気なく自虐に走る私。
そんなことないよ〜すごく可愛いもん、と言いながら撫でてくれる少年。
や、優しい子よ〜
触らせてくれてありがとう、と言って少年達は元来た道を戻っていきました。
今年の4月から小学生になったと思われる、小さな男の子達。
やみくもに触りにこないで、噛む?と聞いたり、手の平が汚いことを気遣ってくれたり、きっとお母さんが普段から「犬は急に触らないんだよ」とか、色々な事を丁寧に話してあげているんだろうな、と伺い知れてホッコリした私。
伸びやかで屈託のない少年達に、なぜか涙が出そうになり困ってしまった。
どの子供も、この世に生を受けて来たからには、幸せで子供らしく育って欲しいと強く思う。
東日本大震災以来、子供がただ元気に居るというだけで、泣けてきてしまう。
涙が出るぐらい健やかな少年二人と会えて、犬も私も足取り軽く帰路に就いたのでした。