モバイルニュース 薄型多機能で意外に低価格──3D対応「VALUESTAR N」の実力チェック
NECの「VALUESTAR N」シリーズは、20型ワイドの液晶ディスプレイを搭載した液晶一体型デスクトップPCだ。23型ワイドの液晶ディスプレイを備える上位の「VALUESTAR W」シリーズに比べてコンパクトかつリーズナブルなポイントとともに、「テレビ+Blu-ray Discレコーダー+オーディオ+PC」の1台4役をカジュアルにひとまとめにしたお得な構成となっている。今回は3D立体視に対応した店頭向けの最上位モデル「VN790/ES」を評価機に性能や使い勝手を検証していこう。
【写真で見る、3D対応「VALUESTAR N」の実力】
ボディは、ボードスタイルのスリムかつシンプルなフォルムを前モデルより継承する。VN790/ESは「ファインブラック」と呼ぶブラックで統一したカラーリングを採用し、ディスプレイ周囲のベゼルのみ光沢のある素材が使われている(なお、下位の3D立体視非対応モデルのVN770/ESやVN770/ESはファインブラックのほかに、クランベリーレッドとファインホワイトのカラーバリエーションも用意する)。ニュートラルな存在感で押しつけがましい過度な装飾がないため、家庭のプライベートルームにも違和感なくなじむだろう。
画面の角度は水平に対して、約100度から120度の範囲まで調整することが可能だ。本体を軽く持ち上げると自動で最低角度まで戻り、画面を押し倒すよう調整するとスムーズに角度が変えられる。
ボディサイズは、最小傾斜時で500(幅)×182(奥行き)×403(高さ)ミリ、最大傾斜時で500(幅)×318(奥行き)×365(高さ)ミリとなる。最大傾斜時は、画面が上向きに、かつ高さが低くなる一方で、背面のスタンドが広がるために奥行きが若干増す。ともあれ、机上に置いてもよくある20型クラスの液晶ディスプレイを置くのと同様の感覚で圧迫感は少なく、重量も約9.1キロと比較的軽量なので、設置の際や移動が必要な場合もそれほど苦にならず、省スペースに設置できる。
本体に電源ユニットは内蔵せず、別途接続するACアダプタで駆動する。ワイヤレスキーボードとホイール付きマウス、無線式リモコンが標準で付属しており、ケーブル接続なしでスマートな利用が可能だ。受信部はすべて本体に内蔵されているため、USBポートなどを別途占有することもない。
また、前面脚部の間にキーボードやマウスをスッと収納するのにちょうどよいスペースが空けられている。PC未使用時に余計なスペースを必要としないのは、テレビとして活用する時も、インテリアの1つとして設置する時もありがたい。
●最新のモバイル向けSandy Bridgeシステムを搭載
PCとしての基本システムは、開発コードネーム:Sandy Bridgeことインテルの第2世代Core iシリーズにおけるモバイル向けシステムを採用する。この第2世代のCore iシリーズでは内部構造の大幅な改良が行われており、従来の第1世代Core iシリーズと比べてCPU性能はもちろん、CPU内蔵GPUの性能ともに大幅向上している。
また、多くの液晶一体型デスクトップPCがそうであるように、本機も低消費電力で発熱の低いモバイル向けのCPUとチップセット、メモリを利用することで省スペースなボディへの収納を可能としつつ、比較的発熱が少ないデータストレージにはデスクトップ向けの3.5インチHDDを搭載し、ノートPCと比べてはるかに大容量のストレージ領域を確保するのもポイントだ。
評価機である最上位モデルのVN790/ESの搭載CPUはCore i5-2410M(2.3GHz)だ。基本動作クロックは2.3GHzだが、Intel Turbo Boost Technology 2.0により、高負荷時に最大2.9GHzまで自動で動作クロックが上がり、高速に処理できる。さらに1コアにつき2スレッドを取り込んで同時に処理するHyper-Threading Technologyにも対応しており、2コアで合計4スレッドの同時実行が可能となっている。
チップセットはIntel HM65 Express、グラフィックス機能はCPU統合のIntel HD Graphics 3000を利用する。メインメモリはPC3-10600対応のSO-DIMMを4Gバイト(2Gバイト×2枚)、データストレージは2Tバイトの3.5インチSerial ATA対応HDD(回転速度5400rpm)、光学ドライブは、BD-R DL(2層)の最大6倍速書き込み、BD-RE DL(2層)の最大2倍速書き換えなどに対応した記録型Blu-ray Discドライブを右側面に内蔵する。
搭載インタフェースは、本体左側面にマルチメモリカードスロット(SDXC対応SDメモリーカード、PRO-HGデュオ対応メモリースティック)、IEEE1394(4ピン)、マイク入力/ヘッドフォン出力、そして新世代の高速インタフェースであるUSB 3.0を備える。このUSB 3.0ポートはPCの電源オフ時も電力を供給する「パワーオフUSB充電」対応端子となっており、携帯電話やスマートフォン、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機などの充電に便利だ。
本体右側面には、ミュートボタン兼ボリューム調整ダイヤルとUSB 2.0を1基搭載。背面には4基のUSB 2.0のほか、テレビアンテナ入力(地デジ/BS、110度CS)、DC入力、有線LAN(1000BASE-T)と、ケーブルを常時接続させておく端子がまとめられている。上位のVALUESTAR Wシリーズと異なりディスプレイの入出力端子は装備されないため、家庭用ゲーム機の画面表示など、外部ディスプレイとしては使えないが、基本的なPCとしては不足ない内容だ。
なお、通信機能は1000BASE-T対応の有線LANのほか、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANも備えているので、ブロードバンドルータから離れた場所にあるプライベートルームでも安心してインターネット接続環境が整えられる。OSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumを、オフィススイートにはWord、Excel、Outlook、OneNote、PowerPointを包括したOffice Home and Business 2010もプリインストールする。
●3D立体視や3波デジタル放送対応のTV機能など、充実のエンターテインメント機能を装備
エンターテインメント機能の充実も本機のみどころだ。まずは3D機能。本機は偏光板(ラインバイライン)方式を用い、偏光メガネをかけて3D立体視を実現する。
この3D方式は、左目用と右目の画像/映像を1画面に合成表示(走査線ごとに交互に描写)し、偏光方式のメガネで分離することで左右の目に異なる画像/映像を見せ、立体に見えるようにするものである。1画面に左右用の画像/映像を表示するため横の解像度は半分になるが、液晶ディスプレイや3Dメガネにかかるコストが低く、大きな価格の上乗せがないメリットがある。3D立体視の入門には適しているといえる。
本機では、市販Blu-ray 3Dタイトルや3Dピクチャーなどネイティブな3Dコンテンツを視聴できるほか、従来の映像や写真、TV番組など2Dのコンテンツを3Dにリアルタイム変換して楽しむことも可能となっている。3D立体視コンテンツを楽しむアプリケーションとして「CyberLink PowerDVD 3D」が標準で付属しており、3D映像/3D写真の閲覧、2D映像/2D写真の3D変換など、現在個人的に3Dで楽しめることがひととおり楽しめる。また、BSデジタル放送やひかりTVで配信される3D番組の視聴や2D番組の3D変換視聴についても、テレビ統合アプリケーション「Smart Vision」で利用できる。
もう1つの主力機能は、やはりテレビ機能だ。地上/BS/110度CSと3種類のデジタル放送に対応したダブルチューナーを内蔵し、タイムシフト視聴や2番組同時/最大約10倍の長時間(AVC)録画に対応する。
番組の視聴/録画/再生は、同社製PCでおなじみのテレビ統合アプリケーション「SmartVision」で行う。インタフェース・機能ともに洗練されており、早期より“地デジPC”を開発してきただけはある。離れた位置からのリモコン操作に適した「フルスクリーン」、マウスで操作しやすい「ノーマル」、データ放送視聴向けの「アドバンスト」、ながら見に適した「スリム」と4種類のモードを用意し、リモコンでもマウスでも使いやすくできている。
●1600×900ドット表示に対応した液晶ディスプレイ、YAMAHA製高品質スピーカーを内蔵
液晶ディスプレイは20型ワイドで、机上で使うには手ごろなサイズのものを採用する。「スーパーシャインビューLED液晶」と呼ぶ光沢仕上げのパネルと、省電力性に優れるLEDバックライトを採用する。画面の表示解像度は1600×900ドットで、前述の通り偏光板方式の3D立体視に対応する。
光沢仕上げのため周囲の照明や外光は映り込みやすいが、その反射具合は真っ黒の画面でも少しぼやけて映るよう比較的マイルドに押さえられている。輝度も十分な高さがあり、視野角も実用十分な広さが確保されており、表示品質は良好だ。
一方、表示解像度は1600×900ドットのため、1920×1080ドットのフルHD解像度に慣れた目だとデスクトップ画面は多少狭く感じ、フルHD解像度で収録されているBlu-ray Discコンテンツなどはドットバイドット表示では見られない。とはいえ、デジタル放送については言われなければ気がつかず、気にならないと思われ、かつ20型ワイドの手ごろなサイズを考えるとPC操作もこのくらいのほうが文字が見やすく、使いやすいというユーザーも多いと思われる。
ディスプレイの下には、独自の低音再生技術「FR-Port」を導入した3ワット+3ワットの高品位志向のスピーカー“YAMAHAサウンドシステム”を内蔵する。Wavesの音響処理・高音質化技術「Maxx Audio」にも対応する。
NECでは本機をテレビ、Blu-rayレコーダー、PCの3役に、さらにオーディオを加えた4役を1台にまとめているアピールしている。あえてオーディオ機能も加えているところに搭載スピーカーに対する自信のほどが伺えるが、実際に試用した印象としてもヌケのよいクリアな中高音としっかりと響く低音を両立しており、液晶一体型デスクトップPCのサウンドシステムとしてはかなりのハイレベルにあると感じた。
●Windows 7を快適に使える性能と静音性
本機の基本スペックは、Core i5-2410M(2.3GHz)、メモリ4Gバイト(PC3-10600)、HDD 2Tバイト(5400rpm)、CPU内蔵グラフィックス(Intel HD Graphics 3000)、64ビット板Windows 7 Home Premium(SP1)とする構成となる。
Windows 7のエクスペリエンスインデックスは、プロセッサのサブスコアが6.9とハイレベルで、全体としてもWindows 7での日常操作やテレビ録画などのエンターテインメント機能もかなり快適に楽しめることを示すスコアを記録した。
PCMarkVantageの総合スコアでは6669、PCMark05のCPUスコアは8370だった。最新PCとしては突出しているわけではないが、十分に高い水準だ。Core i7-2630QMを搭載する上位シリーズ 2011年夏モデルVALUESTAR Wともスコアとしては似通うものとなっている。一方、グラフィックスはCPU統合のものを使用するので3D描画性能はそれなりだ。高度な3D描画性能を要求する最新のPCゲームには向かないが、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアがHIGHで3644が出ているように、やや古いゲームであれば十分プレイできる性能には達している。
静音性も優秀だ。暗騒音32デシベルの屋内環境でアイドル時36デシベル、高負荷時38デシベルとなった。
アイドル時も無音ではなく、さすがに耳を澄ますと動作音は聞こえるものの、深夜・就寝中の予約録画時でも気にはならない。また、高負荷時もそれほどうるさくはならないのも好印象。負荷時における騒音レベルの上がり方もゆるやかで、頻繁に上下したりしてわずらわしく感じることもなかった。
●デジタルライフを快適にするパーソナルなエンターテインメントマシン
本機は、最新の高性能なSandy Bridgeシステムを搭載し、使い勝手のよいテレビ機能と3D立体視機能、ちょうどよいサイズで高画質な液晶ディスプレイ、高音質なステレオスピーカを内蔵し、Office Home and Business 2010もプリインストールするなど、基本的に“ほぼ全部入り”の構成だ。静音性にも優れており、液晶一体型デスクトップPCとしての完成度はかなりハイレベルにある。
また、2011年7月24日にアナログ放送の停波を控えている。プライベートルームに導入するための地デジ対応テレビとして、高機能なテレビ機能を備えるPCの導入を視野に入れて検討しているユーザーも多いだろう。
NECはPC、TV、Blu-ray Discレコーダー、オーディオという1台4役をこなせるPCということをアピールするが、PCとしての性能や機能、テレビ機能の使い勝手、液晶ディスプレイの画質、スピーカの音質などを試用した限り、その訴求通り十分に上記の4役をこなせる実力は持っている。PC中心のライフスタイルが確立しているユーザーであれば、これ1台でも十分だと思われる。
ただ、(一部のモデルを除いて地デジPC全般の弱点となる)テレビを見るためにPCを起動する必要がある点、また、本機は映像入力端子を備えないので、家庭用ゲーム機や別途AV機器などが接続できない点などは留意しておく必要がある。もっとも、「全部1台で済ませなければならない」わけではなく、家庭用ゲーム機のプレイもしたい方やリアルタイムのTV視聴環境にこだわりのある人は別途家庭用テレビを併用しつつ、番組の録画や番組配信機能、編集やBlu-ray Disc記録などは万本機に任せるといった感じで使い分けても、また違った快適なデジタルライフが送れるのではないだろうか。
本機は、1台4役+3D対応で発売時価格は20万5000円前後、2011年6月末現在、実売16万円前後で販売する店舗も多いようだ。性能、機能、使い勝手を総合して考えれば十分に検討する価値はあるだろう。1人暮らしであまりたくさんの機器を部屋に置きたくないユーザーや、PCだけでなくエンターテインメントコンテンツを個室でパーソナルに楽しみたいといったユーザーにお勧めだ。
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【写真で見る、3D対応「VALUESTAR N」の実力】
ボディは、ボードスタイルのスリムかつシンプルなフォルムを前モデルより継承する。VN790/ESは「ファインブラック」と呼ぶブラックで統一したカラーリングを採用し、ディスプレイ周囲のベゼルのみ光沢のある素材が使われている(なお、下位の3D立体視非対応モデルのVN770/ESやVN770/ESはファインブラックのほかに、クランベリーレッドとファインホワイトのカラーバリエーションも用意する)。ニュートラルな存在感で押しつけがましい過度な装飾がないため、家庭のプライベートルームにも違和感なくなじむだろう。
画面の角度は水平に対して、約100度から120度の範囲まで調整することが可能だ。本体を軽く持ち上げると自動で最低角度まで戻り、画面を押し倒すよう調整するとスムーズに角度が変えられる。
ボディサイズは、最小傾斜時で500(幅)×182(奥行き)×403(高さ)ミリ、最大傾斜時で500(幅)×318(奥行き)×365(高さ)ミリとなる。最大傾斜時は、画面が上向きに、かつ高さが低くなる一方で、背面のスタンドが広がるために奥行きが若干増す。ともあれ、机上に置いてもよくある20型クラスの液晶ディスプレイを置くのと同様の感覚で圧迫感は少なく、重量も約9.1キロと比較的軽量なので、設置の際や移動が必要な場合もそれほど苦にならず、省スペースに設置できる。
本体に電源ユニットは内蔵せず、別途接続するACアダプタで駆動する。ワイヤレスキーボードとホイール付きマウス、無線式リモコンが標準で付属しており、ケーブル接続なしでスマートな利用が可能だ。受信部はすべて本体に内蔵されているため、USBポートなどを別途占有することもない。
また、前面脚部の間にキーボードやマウスをスッと収納するのにちょうどよいスペースが空けられている。PC未使用時に余計なスペースを必要としないのは、テレビとして活用する時も、インテリアの1つとして設置する時もありがたい。
●最新のモバイル向けSandy Bridgeシステムを搭載
PCとしての基本システムは、開発コードネーム:Sandy Bridgeことインテルの第2世代Core iシリーズにおけるモバイル向けシステムを採用する。この第2世代のCore iシリーズでは内部構造の大幅な改良が行われており、従来の第1世代Core iシリーズと比べてCPU性能はもちろん、CPU内蔵GPUの性能ともに大幅向上している。
また、多くの液晶一体型デスクトップPCがそうであるように、本機も低消費電力で発熱の低いモバイル向けのCPUとチップセット、メモリを利用することで省スペースなボディへの収納を可能としつつ、比較的発熱が少ないデータストレージにはデスクトップ向けの3.5インチHDDを搭載し、ノートPCと比べてはるかに大容量のストレージ領域を確保するのもポイントだ。
評価機である最上位モデルのVN790/ESの搭載CPUはCore i5-2410M(2.3GHz)だ。基本動作クロックは2.3GHzだが、Intel Turbo Boost Technology 2.0により、高負荷時に最大2.9GHzまで自動で動作クロックが上がり、高速に処理できる。さらに1コアにつき2スレッドを取り込んで同時に処理するHyper-Threading Technologyにも対応しており、2コアで合計4スレッドの同時実行が可能となっている。
チップセットはIntel HM65 Express、グラフィックス機能はCPU統合のIntel HD Graphics 3000を利用する。メインメモリはPC3-10600対応のSO-DIMMを4Gバイト(2Gバイト×2枚)、データストレージは2Tバイトの3.5インチSerial ATA対応HDD(回転速度5400rpm)、光学ドライブは、BD-R DL(2層)の最大6倍速書き込み、BD-RE DL(2層)の最大2倍速書き換えなどに対応した記録型Blu-ray Discドライブを右側面に内蔵する。
搭載インタフェースは、本体左側面にマルチメモリカードスロット(SDXC対応SDメモリーカード、PRO-HGデュオ対応メモリースティック)、IEEE1394(4ピン)、マイク入力/ヘッドフォン出力、そして新世代の高速インタフェースであるUSB 3.0を備える。このUSB 3.0ポートはPCの電源オフ時も電力を供給する「パワーオフUSB充電」対応端子となっており、携帯電話やスマートフォン、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機などの充電に便利だ。
本体右側面には、ミュートボタン兼ボリューム調整ダイヤルとUSB 2.0を1基搭載。背面には4基のUSB 2.0のほか、テレビアンテナ入力(地デジ/BS、110度CS)、DC入力、有線LAN(1000BASE-T)と、ケーブルを常時接続させておく端子がまとめられている。上位のVALUESTAR Wシリーズと異なりディスプレイの入出力端子は装備されないため、家庭用ゲーム機の画面表示など、外部ディスプレイとしては使えないが、基本的なPCとしては不足ない内容だ。
なお、通信機能は1000BASE-T対応の有線LANのほか、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANも備えているので、ブロードバンドルータから離れた場所にあるプライベートルームでも安心してインターネット接続環境が整えられる。OSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumを、オフィススイートにはWord、Excel、Outlook、OneNote、PowerPointを包括したOffice Home and Business 2010もプリインストールする。
●3D立体視や3波デジタル放送対応のTV機能など、充実のエンターテインメント機能を装備
エンターテインメント機能の充実も本機のみどころだ。まずは3D機能。本機は偏光板(ラインバイライン)方式を用い、偏光メガネをかけて3D立体視を実現する。
この3D方式は、左目用と右目の画像/映像を1画面に合成表示(走査線ごとに交互に描写)し、偏光方式のメガネで分離することで左右の目に異なる画像/映像を見せ、立体に見えるようにするものである。1画面に左右用の画像/映像を表示するため横の解像度は半分になるが、液晶ディスプレイや3Dメガネにかかるコストが低く、大きな価格の上乗せがないメリットがある。3D立体視の入門には適しているといえる。
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もう1つの主力機能は、やはりテレビ機能だ。地上/BS/110度CSと3種類のデジタル放送に対応したダブルチューナーを内蔵し、タイムシフト視聴や2番組同時/最大約10倍の長時間(AVC)録画に対応する。
番組の視聴/録画/再生は、同社製PCでおなじみのテレビ統合アプリケーション「SmartVision」で行う。インタフェース・機能ともに洗練されており、早期より“地デジPC”を開発してきただけはある。離れた位置からのリモコン操作に適した「フルスクリーン」、マウスで操作しやすい「ノーマル」、データ放送視聴向けの「アドバンスト」、ながら見に適した「スリム」と4種類のモードを用意し、リモコンでもマウスでも使いやすくできている。
●1600×900ドット表示に対応した液晶ディスプレイ、YAMAHA製高品質スピーカーを内蔵
液晶ディスプレイは20型ワイドで、机上で使うには手ごろなサイズのものを採用する。「スーパーシャインビューLED液晶」と呼ぶ光沢仕上げのパネルと、省電力性に優れるLEDバックライトを採用する。画面の表示解像度は1600×900ドットで、前述の通り偏光板方式の3D立体視に対応する。
光沢仕上げのため周囲の照明や外光は映り込みやすいが、その反射具合は真っ黒の画面でも少しぼやけて映るよう比較的マイルドに押さえられている。輝度も十分な高さがあり、視野角も実用十分な広さが確保されており、表示品質は良好だ。
一方、表示解像度は1600×900ドットのため、1920×1080ドットのフルHD解像度に慣れた目だとデスクトップ画面は多少狭く感じ、フルHD解像度で収録されているBlu-ray Discコンテンツなどはドットバイドット表示では見られない。とはいえ、デジタル放送については言われなければ気がつかず、気にならないと思われ、かつ20型ワイドの手ごろなサイズを考えるとPC操作もこのくらいのほうが文字が見やすく、使いやすいというユーザーも多いと思われる。
ディスプレイの下には、独自の低音再生技術「FR-Port」を導入した3ワット+3ワットの高品位志向のスピーカー“YAMAHAサウンドシステム”を内蔵する。Wavesの音響処理・高音質化技術「Maxx Audio」にも対応する。
NECでは本機をテレビ、Blu-rayレコーダー、PCの3役に、さらにオーディオを加えた4役を1台にまとめているアピールしている。あえてオーディオ機能も加えているところに搭載スピーカーに対する自信のほどが伺えるが、実際に試用した印象としてもヌケのよいクリアな中高音としっかりと響く低音を両立しており、液晶一体型デスクトップPCのサウンドシステムとしてはかなりのハイレベルにあると感じた。
●Windows 7を快適に使える性能と静音性
本機の基本スペックは、Core i5-2410M(2.3GHz)、メモリ4Gバイト(PC3-10600)、HDD 2Tバイト(5400rpm)、CPU内蔵グラフィックス(Intel HD Graphics 3000)、64ビット板Windows 7 Home Premium(SP1)とする構成となる。
Windows 7のエクスペリエンスインデックスは、プロセッサのサブスコアが6.9とハイレベルで、全体としてもWindows 7での日常操作やテレビ録画などのエンターテインメント機能もかなり快適に楽しめることを示すスコアを記録した。
PCMarkVantageの総合スコアでは6669、PCMark05のCPUスコアは8370だった。最新PCとしては突出しているわけではないが、十分に高い水準だ。Core i7-2630QMを搭載する上位シリーズ 2011年夏モデルVALUESTAR Wともスコアとしては似通うものとなっている。一方、グラフィックスはCPU統合のものを使用するので3D描画性能はそれなりだ。高度な3D描画性能を要求する最新のPCゲームには向かないが、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアがHIGHで3644が出ているように、やや古いゲームであれば十分プレイできる性能には達している。
静音性も優秀だ。暗騒音32デシベルの屋内環境でアイドル時36デシベル、高負荷時38デシベルとなった。
アイドル時も無音ではなく、さすがに耳を澄ますと動作音は聞こえるものの、深夜・就寝中の予約録画時でも気にはならない。また、高負荷時もそれほどうるさくはならないのも好印象。負荷時における騒音レベルの上がり方もゆるやかで、頻繁に上下したりしてわずらわしく感じることもなかった。
●デジタルライフを快適にするパーソナルなエンターテインメントマシン
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ただ、(一部のモデルを除いて地デジPC全般の弱点となる)テレビを見るためにPCを起動する必要がある点、また、本機は映像入力端子を備えないので、家庭用ゲーム機や別途AV機器などが接続できない点などは留意しておく必要がある。もっとも、「全部1台で済ませなければならない」わけではなく、家庭用ゲーム機のプレイもしたい方やリアルタイムのTV視聴環境にこだわりのある人は別途家庭用テレビを併用しつつ、番組の録画や番組配信機能、編集やBlu-ray Disc記録などは万本機に任せるといった感じで使い分けても、また違った快適なデジタルライフが送れるのではないだろうか。
本機は、1台4役+3D対応で発売時価格は20万5000円前後、2011年6月末現在、実売16万円前後で販売する店舗も多いようだ。性能、機能、使い勝手を総合して考えれば十分に検討する価値はあるだろう。1人暮らしであまりたくさんの機器を部屋に置きたくないユーザーや、PCだけでなくエンターテインメントコンテンツを個室でパーソナルに楽しみたいといったユーザーにお勧めだ。
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