柳宗悦「民藝四十年」岩波文庫
民芸という言葉の意味も良く分からず、民芸が好きですなんてTwitterのプロフィールにも書いたりまわりに言ったりしていましたが、最近民芸に関する本を何冊か買い、少しづつ読み進め、理解しようとしています。
分かったことの一つですが、民芸という言葉に対して僕は随分違ったイメージを持っていたようです。
民芸と聞くと民俗的な陶芸とか工芸、あるいは民族的な・・・というようなイメージを持っていました。
しかしそれは間違っていて、民芸とは民衆的工芸の民と芸をとって名づけられたもので、一つの例で言うならば、高名な作家が作ったような高価な美術的工芸に対し、そうではない無名の職人が作った普段使いの工芸のことをいうのです。
・高価な物ではなく、安価である。
・美術品ではなく、普段使いのものである。
・高名な作家ではなく、無名の職人が作ったものである。
・機械ではなく手で作ったものである。
・壊れやすいものではなく、丈夫なものである。
・華美な装飾、奇抜な形ではなく、シンプルなものである。
こういったものが民芸です。
器だけでなく、衣服や家具、文房具なども含まれます。
こうしたものは古くは誰も価値を認めていなかったのですが、柳宗悦が美的価値を見出し、民芸として世にその価値を知らしめようとしたのです。
こういったことが分かりはじめ、今まで単に見た目の良さだけで好きと言っていた民芸に本気ではまりはじめています。まずは本を読むことからはじめていますが、これから実際に作っている窯の見学に行くなどしていきたいと思っています。
以下柳宗悦「民芸(藝)の趣旨」という冊子は日本民藝館で300円で買ったのですが、後から上の「民藝の四十年」にも同じ内容が書かれていることに気づきました。