誰もが一度は行ったことがあるだろう、「回転寿司」
僕は回転寿司が好きで、最低月一回は行っていると思う。
回らない寿司屋と回転寿司、どちらが好きかと言うとどちらも好きだが、
家計のことを抜きにしても、回転寿司のほうがリピート率は高い。
大抵買い物帰りに妻と行くことが多いのだが、
妻は自分の食べたいものを注文する割合が高いのに対し、
僕は回っている皿を取る割合が高い。
なぜなら、寿司を食べに来ているのではなく、
「回転寿司」を食べに来ているからであり、
注文して食べるなら回らない寿司屋でやればいい、
回っている寿司を取ることが回転寿司の醍醐味であり、
また来たいと思う楽しみそのものだと考えるからだ。
まず前提として、胃袋の容量と財布の中身は有限という前提がある。
仮に10皿で満腹、予算は2000円とすると、
その限られた制約の中で、自分を満足させるための方法、
つまり皿の組み合わせは、食べる順番も考慮すればほぼ無限。
席に着くと、実に様々なネタが目の前を通り過ぎる。
サイドメニューやデザートを入れれば50種以上あるだろうか。
その中から、今日の自分の体調や気分に合わせて、
皿が通り過ぎるわずか数秒の間に「取る」「取らない」を決断する。
序盤は速攻で決断する。欲求の赴くままに皿を取る。
なぜなら、まだ空腹だし金額的にも余裕がある、
このゲームの制約がまだあまり気にならない段階だからだ。
しかし、8皿目になるととたんに決断スピードが落ちてくる。
胃袋の容量的にはあと2皿がちょうどいい、最後に美味しい口で終わりたいから
大トロを食べようか、大トロを食べてしまったら予算的にそこでストップ。。。
そうこうしているうちに最終コーナーを曲がって来たのは・・・大トロ!
取るか?取らないか? どうする!?
あーーっと!大トロが手前50センチまできたところで最終コーナーに見えて来たのは
トロサーモン!!好物だ!!トロサーモンなら予算的に2皿いける!
しかしトロサーモンは今日は既に食べている。。。それにここでトロサーモンを食べたとしたら、
ラスト1皿にふさわしいネタはいったい何だろう?・・・・
そうこうしているうちに大トロが目の前に!
ここはもう一周考えるか?いや、とっくに食べたいものだけ食べて満足している妻を
これ以上待たせる訳にはいかない。決断しろ!俺!
・・・・
結局、回転寿司というゲームで100%満足することはない。
が、自分自身がコントローラブル且つ前向きな決断の結果なので、
後悔は全くなくむしろ、「また来よう」という気持ちになる。
で、もしも回転寿司のシステムが今流行のソーシャルゲームのガチャ風だったら?
と考えてみた。
全皿100円、手元のボタンを押すと50種類の中からランダムで1皿出てくる。
大トロも100円だが出現確率は2%。50皿に1皿、5000円に1回出てくる計算。
1回目、カッパ巻き。
2回目、玉子。
3回目、カッパ巻き。 おい、コラふざけんな。
2度とくるかこんな店!
「一定量胃袋を満たす」という効果はどの皿にも共通だが、
僕が回転寿司で満たしたい真の欲求は単なる満腹感ではなく、
空腹をどの皿で満たすかという組み合わせと、
自分自身で選択する過程である。
こういった思考は、
Myers-Briggs類型論でいうところの感情型+認知型思考(FP型)に分類され、
全体的な人口から見ると、じつは女性に多いらしい。
FP型の人にとって、優越感や勝利、ゴール思考は本質的に重要でなく、
自分で自分の目標を決める、行動を自分自身でコントロールできることが重要。