居住モジュールの試作品を製作することをNASAが発表しました。

この居住モジュール試作の目的は、
地球低軌道を回る国際宇宙ステーションよりも遠くを目指すクルーの生活スペース開発。

民間の宇宙開発企業6社が参加し、
それぞれの特徴を活かした居住空間を約2年かけて製作することになります。


地球低軌道より遠くへ

NASAは来る有人火星探査に備え、現在は地球低軌道よりも遠くへの有人飛行を計画しています。

打ち上げには“Space Launch System(SLS)”という世界最大のロケットと、
オリオン宇宙船”を使う予定です。

また、いずれは火星へ向かうことを視野に入れ、今回発表された計画では、
地球低軌道よりも遠く深い宇宙空間でも安全に滞在できる、居住モジュールの開発を目指しています。


6つの居住モジュール

この計画に参加するのは、
ボーイング、ロッキード・マーティン、オービタルATK、シエラ・ネバダ、ナノラックス、
ビゲロー・エアロスペースの6社になります。

モジュール試作のために各社に与えられるのは24か月。
各社はそれぞれの特色を活かした居住スペースを製作することになります。

これまでも国際宇宙ステーションにおける技術開発で貢献してきたボーイングは、
地上でフルサイズの居住モジュールを作成し、インタフェースの標準化やシステム機能、
そして重要探査技術のテストを計画しています。

ロッキード・マーティンが計画しているのは、
国際宇宙ステーションへの物資補給を担う補給船に環境・生命維持装置を取り付け、
居住モジュールへと転換する方法。

この方法はオービタルATKも採用し、“シグナス補給船”を改造して使用することになります。

シエラ・ネバダは小型版スペースシャトルともいえる“ドリーム・チェイサー”と、
風船のように膨らんで広く使えるコンポーネントを合体させたものになります。

一方、既存の打ち上げロケットを使うのはナノラックス。
ロケットの上部をそのまま居住スペースへと転用するそうです。

ビゲロー・エアロスペースは、
国際宇宙ステーションでテスト中の宇宙で膨らませて使う居住モジュールに、
生命維持装置を追加したものになる見込みです。

今回の居住スペース開発のためにNASAが用意する予算は6500万ドルほど。
また、実際に地上用居住スペースを製作する企業は、製作費用の30%を負担することになります。


快適な空間つくり

火星への有人探査は、少なくとも500日ほどかかることになります。

その間は狭い宇宙船の中で生活する必要があり、
さらに大気や磁気圏の外側へ出てしまえば、強い宇宙放射線の遮蔽も考慮しなければなりません。

なので火星へ向かう飛行士が、少しでも快適な生活を送れるような空間、
それがミッション遂行に良い影響を与えるのかもしれませんね。

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