観測ロケットに搭載されたカメラの赤外線画像から、
宇宙背景放射に未知の「ゆらぎ」が見つかりました。

この模様は、
これまでに見つかっている星や銀河などの放射だけでは、
説明がつかないんですねー

たとえば、他の銀河の周囲に大量に存在する暗い星など、
未知の赤外線光源が大量に存在することを、示しているのかもしれません。


宇宙背景放射とは、既知の星や銀河などがない背景領域の明るさのことです。

近赤外線の波長域で見た背景放射には、
私たちがいる太陽系や天の川銀河内外に由来する放射が含まれています。

JAXA宇宙科学研究所と東北大学などの国際研究グループでは、
2009年から、観測ロケットで大気圏外に打ち上げたカメラによる赤外線観測を行ってきました。

この観測は“CIBER実験”と呼ばれ、2つの波長(1.1μmと1.6μm)の赤外線を、
観測ロケットで大気圏外に打ち上げたカメラにより測定するもの。

そして今回、2010年と2012年の観測画像から、
宇宙赤外線背景放射に未知の「まだら模様」が見つかることに…
宇宙赤外線背景放射の「まだら模様」の空間パターン

大きな「まだら模様」は、天の川銀河内のチリ由来の放射分布、
小さな「まだら模様」は、天の川銀河外に由来する放射分布として説明できるのですが、
0.1度ほどの角度に現れる模様は、これまで知られている天体の影響では説明できないんですねー

赤外線天文衛星“あかり”や“スピッツァー”による観測も合わせて考えると、
この模様は、質量の小さい古い星由来の場合と一致することが分かります。

このことから、
天の川銀河以外の銀河を球殻状に取り囲む領域(ハロー)に、
普通の観測では見えない暗い星が大量に存在し、
これが今回見つかった模様として観測されているという、
新しい説が示されることに…

この説が正しければ、比較的近い銀河のハロー内ですら、
未知の星々が大量にあるということになるんですねー

“CIBER実験”では、口径11センチの望遠鏡が使われています。

今後、さらに高精度の観測を行うため、
3倍の口径の望遠鏡を用いる計画もあるようですよ。
小型望遠鏡は高度200~330キロの大気圏外まで打ち上げられ、
約5分間の撮影の後、パラシュート降下し回収される。