太陽のもっとも近くを回る惑星である水星は、
総質量に対して65%もの割合を占める鉄の核を持っています(地球は32%)。
地球と水星の内部構造。
水星の核が全体に占める
割合が大きいことが分かる。

その理由として主流になっている説は、
原始の水星に起こった大規模な天体衝突で、外側のマントルが失われたというものです。

でもこの説は、同時に失われるはずの揮発物質が、水星に多く存在しているという観測結果と矛盾しているんですねー

そして今回行われたのが、原始水星が他の原始惑星と、かするように接触衝突するコンピュータシミュレーションでした。

この結果分かったのが、
衝撃の少ないこうした接触では、1、2回の衝突を経てマントルの半分は無くなっても、
揮発物質はじゅうぶん残り、現在のような水星の姿になるということ。

太陽系の内惑星は、20個の小天体が合体して成長し、
最終的に多くが金星と地球に、残った2つが火星と水星になったと一般的に考えられています。

探査機“メッセンジャー”が
撮影した水星。
シミュレーションでは、
火星は他の大型天体に衝突せず、
一方の水星は、他の天体とかすり衝突はしたが、
正面衝突で合体することはなかったということです。

今回の研究で、原始惑星は衝突のたびに合体して、順調に大きくなるだけでなく、
接触衝突で削られることもあることが分かったんですねー

こうした複雑なプロセスがあれば、
水星や火星、小惑星のような「残り物」の天体に見られる、バリエーション豊かな組成が説明できるそうですよ。