活動的な銀河中心のブラックホールから、強い放射が見られる“ブレーザー”。
その2つのタイプの時代分布から、
時とともに一方からもう一方へと変化したものであることが分かりました。

活動銀河核のブラックホール(イメージ図)
重力で集まった物質が渦巻く円盤と、
両極方向のジェットも見える。
多くの銀河の中心には、太陽の数百万倍から数十億倍もの質量を持つ巨大質量ブラックホールが存在します。

銀河中心にガスが豊富にあれば、
ブラックホールはその物質をどんどん飲み込んで明るく輝き、
周囲には重力で引き込まれるガスが渦巻く円盤(降着円盤)が作られ、
ブラックホール近辺からは両極方向に、光速に近いスピードでジェットが噴き出すんですねー

こうした活動銀河核の中でも特に高エネルギーなのが“ブレーザー”です。

“ブレーザー”には、電波スペクトルが均一に観測される“均一スペクトル電波クエーサー”と、
可視光線での変動が見られる“とかげ座BL型天体”の2種類があります。

前者は降着円盤が明るく輝き、ブラックホールの質量は小さいのですが、
後者は重いブラックホールから明るいジェットが噴き出し、円盤からの放射はほとんど見られません。

研究チームでは、数年間にわたって国内外の地上望遠鏡で可視光分光観測を行い、
200個以上の“とかげ座BL型天体”の距離を測定。

天体の距離が分かれば、宇宙の歴史の中でいつの時代のものかが分かります。
なので、“均一スペクトル電波クエーサー”のデータと合わせて時代分布を調べたところ、
56億年前ごろから“均一スペクトル電波クエーサー”の数が減り、
“とかげ座BL型天体”は増えていったことが分かったんですねー

これは、ブラックホールのエネルギー放出の変容によるものと考えられています。

小さい銀河同士がひんぱんに衝突し大きな銀河へと成長した時代には、
衝突のはずみでガスが銀河中心部に流れ込みやすくなっていました。
そのため、ガスの降着円盤が明るく輝く“均一スペクトル電波クエーサー”が多くありました。
そして、ガスを取り込むブラックホールが自転が速まり、質量が大きくなります。

その後、銀河同士の衝突が少なくなり、ガスの供給が減ることに、
でも、ブラックホールに蓄えられたエネルギーがパワフルなジェットを生み出し、
“とかげ座BL型天体”として観測されることになるんですねー

“とかげ座BL型天体”のブラックホールは、
時とともにエネルギーを失って自転も遅くなり、やがて暗くなっていくはずです。
今後、より多くの“ブレーザー”の観測データを調べて、このプロセスを確かめていくようです。