夏には夕方の西の空で、ひときわ明るく光る宵の明星“金星”。
この金星は地球の隣の惑星で、大きさや質量もほぼ地球と同じでなんですねー

なので、「地球と双子の惑星」と呼ばれることもあるのですが、
一方は生命を育む惑星、もう一方は二酸化炭素に覆われ高温で、ほとんど水が存在しない過酷な惑星です。

いったい何が、この違いを生んだのでしょうか?

地球や金星のような岩石惑星が生まれたてのころは、
どろどろに溶けたマグマの海が、徐々に冷えて固まっていくのが、
主要な形成過程だと考えられています。

固まるまでの時間は質量で決まり、質量が同程度である地球と金星も、
その初期段階は似たような形成過程を、たどってきたと思われていました。

でもその場合だと、金星の水は海が蒸発して失われることになり、
天体内部に水が残っていないことになります。
また、水素より重い元素である酸素が大気中に残っていないという、現状の環境との不一致もあるんですねー

この矛盾を解消するために作られたのが、
惑星の冷却過程のみならず、大気量の変化なども統合して考慮した、初期惑星の進化モデルです。


新モデルに基づく中心星からの距離と、水の量の変化の関連を示したグラフ


これにより、惑星のサイズや組成が同じでも、
中心星からある距離を境に、冷却固体化にかかる時間を左右する要素が切り替わり、
結果として固体化までの時間と残る水分量に、大きく違いが生まれることが分かりました。

中心星から遠い方(タイプ1)では、数百万年以内にマグマが固体化し、残った水で海ができます。
中心星から近い方(タイプ2)では、固体化に長い時間を必要となるので、その間にほとんどの水を失うことになります。

太陽系では、この境界が0.6~0.8au(天文単位)の距離にあり、1auの地球はタイプ1になります。
そして、0.72auの金星は境界上なので、どちらのタイプかは簡単には決められないのですが、
タイプ2の特徴と一致していて、従来の矛盾も解消されるんですねー

今回のモデルから、同じ岩石型惑星として、ひとくくりにされてきた金星と地球が、
初期の段階から違った道を歩んできた、別タイプの惑星である可能性が示されました。
惑星の生い立ちに関する、新たなパターンが見えてきたことになるんですねー