巨大なガスの雲が渦巻く木星の表面には、
ぽっかりと雲がきれた穴のような場所がまれに存在します。





木星のホットスポット周辺の
擬似カラー画像
矢印がホットスポット
右枠が渦、左枠がプルーム



大きいサイズの穴は“ホットスポット”と呼ばれ、どのように作られるのかが長年の謎になっているんですねー

“ホットスポット”では、木星大気の下層が、どうなっているのかを垣間見ることができます。
人間の目には暗く見えるのですが、
高温の下層が露出するので、温度を感知する赤外線観測では明るく見える場所でもあります。

“ホットスポット”は多くの場合、白い雲を挟んで等間隔に並んで形成されます。
でも、こうした模様がどのようにしてできるのでしょうか?
これにについては、地球の天候にも大きく影響する“ロスピー波”と呼ばれる大気波が関わっているようです。

まず、冷たい空気が“ロスピー波”で、押し下げられることで表面に穴ができます。
そして、代わりに暖かい空気が押し出されて、白い雲になるということなんですねー

NASAでは、土星に向かう途中の探査機“カッシーニ”が、
2000年暮れに木星を接近通過したときの観測に注目しました。
この観測から、北緯7度付近にある一連の“ホットスポット”が、
できてから消滅するまでを2か月間のデータで追いました。













ホットスポットが画像右上から
移動してくる渦とぶつかり
消えていく様子
12日間の連続画像






“ホットスポット”が属する高速ジェット気流や周囲の渦、プルームなどの動きを、
ひとつずつ丹念に分析しています。
そして判明したのが、“ホットスポット”の動きは、
“ロスピー波”によって作られるパターンと一致するということでした。

“ロスピー波”は地球においても、北極のジェット気流のコースをそれさせて、
フロリダに寒波をもたらすなど、天候を大きく左右するものです。

地球では東西あるいは南北方向に作用するのですが、
木星の“ホットスポット”を作る“ロスピー波”は、大気中をまるでメリーゴーラウンドの木馬のように、プカプカと上下方向にも作用していることが分かりました。

その高低差は数十キロにわたり、波の底にあたる部分に“ホットスポット”ができると考えられるんですねー