110億光年かなたの恒星をほとんど含まない暗い銀河が、カリフォルニア大学の研究チームによって発見されました。

このように暗い銀河を“暗黒銀河”と呼びます。
“暗黒銀河”は初期宇宙に存在した銀河の一種で、小さく豊富なガスを含んでいるのですが、それほど活発に星を作らないようです。

“暗黒銀河”の存在は銀河形成の理論から予測されていたのですが、観測されたのは今回が初めて。
他の銀河と同じようにガスを大量に含んでいるようですが、そのガスを照らす恒星がないので見ることが出来ませんでした。

なぜ今回観測できたのか? っと言うと、宇宙でも最高クラスの明るい光源であるクエーサーを利用したからなんですねー

クエーサーとは高速で自転しながら活発に周囲の物質を飲み込んでいる、超大質量ブラックホールを中心にもつ天体です。

110億光年かなたで明るく輝くクエーサー“HE0109-3518”は、太陽100兆個分のエネルギーで発光し、
半径1000万光年の範囲にある銀河を照らし出しています。







クエーサー“HE0109-3518”(赤い丸)が
“暗黒銀河”(青い丸)を照らしだしている



研究チームは、チリにあるヨーロッパ南天文台の超大型望遠鏡VLTを使い、このクエーサー周囲を超長時間露光で撮影しました。
すると、少なくとも12個の“暗黒銀河”候補が見つかりました。

VLTの8.2メートル望遠鏡4台を合わせた集光能力と優れた感度をもってはじめて、これらの“暗黒銀河”を直接観測することができたんですねー

この“暗黒銀河”は進化の初期段階にある幼い銀河と考えられています。
ガスの性質(組成や密度)や未知の要素が、まだ恒星を形成する状態になっていないようです。
なので、この“暗黒銀河”は、現在見えている“明るい銀河”の元の姿かもしれないんですねー

“暗黒銀河”に含まれる原始的ガスから、どのようにして恒星が生れるのか、まだ分からないのですが、
ひょっとすると銀河の質量が十分に重くなるか、“暗黒銀河”同士で衝突が起こるまで、暗いままなのかもしれません。

銀河の形成に関する現在の考え方では、巨大銀河が持つガスの大半は、比較的小さな銀河などを取り込むことで得られるそうです。

なので“暗黒銀河”は近くにある明るい銀河の恒星形成の材料にもなっているのかもしれません。
明るくならずに、必要なガスを提供するだけの“暗黒銀河”もあるのかもしれませんね。