NASAの“ハッブル宇宙望遠鏡”が、“うしかい座”の方向100億光年のかなたにとらえた画像です。
重力レンズ現象が、100億光年かなたの銀河団によって引き起こされています。




100億光年かなたの銀河団と
重力レンズにより
青っぽいアーク状に見える
遠くの銀河(拡大図)


重い銀河団などの重力によって、さらに向こう側の天体が変形して見えるのが重力レンズ現象です。
拡大図の青っぽい部分が銀河団よりさらに遠くにある銀河で、銀河団の重力で歪んで見えていると考えられます。

数十から数千個の銀河が集まったものを銀河団といい、
その質量による重力レンズ効果と呼ばれる現象は、
非常に遠くの銀河を拡大し見やすくしてくれるんですねー

100億光年先の銀河団による重力レンズということは、
レンズ効果を受ける銀河はもっと遠くにあることになります。

そのような銀河がうまく存在する確率はかなり低くなります。
また、昔の銀河団ほど質量は軽いので、重力レンズ効果を起こすのは難しいんですよねー

今回の重力レンズを起こしている銀河団までの距離は、“ハッブル宇宙望遠鏡”のカメラによる赤外線像の測定から確認されています。

100億光年は、銀河団としては最も遠い(古い)部類になるのですが、
他の観測と組み合わせると、平均的な銀河団の5~10倍にあたる質量を持つことも確認されています。

では、なぜ重い銀河団が?

この回答として、以下の2つが可能性として考えられています。
 ・昔の銀河団は今よりも中心部の密度がかなり高く、強いレンズ効果を起こしやすかった。
 ・ビッグバン直後に生成された物質の微小な揺らぎが、
  標準の宇宙理論のシミュレーションでの推測と違っていて、推測モデルよりも重い銀河団が作られた。

今回の発見は初期の宇宙で、これほど重い銀河団がどのように生み出された? っという研究の手がかりになるかもしれません。

とにかく、80~100億年前の銀河団をたくさん観測して、
重力レンズ効果が起こっているのか調べないと分からないですね。