ウルトラ赤外線銀河

普通の銀河100個分もの赤外線を発する銀河をウルトラ赤外線銀河と呼びます。

“アープ220”はウルトラ赤外線銀河の一つなんですが、
今回すばる望遠鏡を用いた観測で、4個以上の銀河が合体して形成された事が分かります。

ウルトラ赤外線銀河は星々が爆発的なペースで生まれ、
それらが起こす超新星爆発により銀河風が吹き荒れる不思議な天体です。

爆発的な星の生成(スターバースト)の次の段階は、
巨大ブラックホールをエネルギー源として非常に明るい放射をする
“クエーサー”に進化すると考えられているので、
宇宙の謎を解くのに重要な天体なんですねー

銀河同士の合体が激しい星生成の引き金になっているようですが、
何個の銀河が合体したのかは分かっていません。

それは、ウルトラ赤外線銀河が、
すでに合体がかなり進んでいるので特定するのは難しいからです。


銀河が合体した証拠

そこで注目されたのが、
ウルトラ赤外線銀河の代表例である“アープ220”のスターバースト領域です。

銀河内の一般的な星の生成とは異なり、
爆発的な勢いで星が生まれるスターバースト領域は、2つ以上の銀河が合体した証拠になるからです。

手掛かりは水素原子の放射・吸収によって生じるHa線でした。
Ha線を目安に「スターバースト中の領域」と「スターバースト後の領域」を見分けたんですねー

左はHα線で見たアープ220。明るい色の場所はHα輝線が観測された領域(スターバースト中の領域)で、黒く見える場所はHα吸収線が観測された領域(スターバースト後の領域)。右側に上下に伸びる2本の尾が見えます。右は別の波長で見たアープ220。

そして南北方向に細長く伸びる2本の尾の形をした「スターバースト後の領域」を見つけました。
この形はアンテナ銀河などの衝突を起こした銀河で見られるもの。

2つの円盤銀河が相互作用しているアンテナ銀河。
きれいな2本の尾が見えている。

2つの銀河が衝突した場合には、1個の銀河につき1本の尾が出ると考えられています。

つまり“アープ220”で見つかった2本の尾は、
この銀河が「スターバースト後の領域」が2つ合体して出来た事を意味します。

1つの「スターバースト後の領域」が出来るには、2個以上の銀河の合体が必要となります。

なので“アープ220”は、少なくとも4個以上の銀河の多重合体で出来た事に…
銀河同士の合体って、けっこう起こっているものなんですねー