土星の衛星タイタンは太陽系では十分な大気を持つことから、これまで地球外生命の存在が有力視されてきた天体です。






NASAの土星探査機カッシーニが撮影した
タイタンのスモッグ状の大気層。




でも、最新の研究によると大気が濃くなったのは比較的最近のようで、
生命発見の可能性が低くなったようです。

生命を育むには「液体の水」、「エネルギー源」、「有機分子」の3要素が揃っていると都合がイイのですが、
タイタンは表面が摂氏マイナス178度と非常に寒いので液体の水は存在しません。

でも液体メタンの湖があるんですねー これが生物学的に地球上の水と同じ役割を果たしている可能性があります。
またエネルギー源として大気中のメタンは温室効果ガスのため、太陽光の熱を閉じ込めることができます。

そして最後の有機物質は、タイタンで特に注目すべき要素なんですねー
タイタンの大気中のメタンは太陽光で容易に分解され、
より複雑な有機物質である炭素系物質に転換しているはずです。

炭素系物質は地球上の生命に欠かせない物質です。
これで生命誕生の要件が揃うのですが… 大気の年代を測ったところ16億年程度しか経っていないことが分かったんですねー

上で書きましたがタイタンの大気中のメタンは太陽光で容易に分解され、より複雑な有機物質に転換します。

一般的な“軽い”炭素(質量数の少ない炭素)を含むメタンは、
“重い”炭素を含むメタンよりも若干速く転換します。
つまり、長期的には“重い”メタンの相対濃度が徐々に増えることになります。

なので軽いメタンと重いメタンの比率の変化を調べると、
大気中のメタン分子の分解にかかった時間をモデル化でき、さらには大気自体の年代も推定できます。

大規模な天体衝突でタイタンの内部からガスが突然噴出して、
最初のメタンが大気に放出されたと仮定した場合、分厚い大気の年代は16億年程度と推定されます。

太陽系の中で生命誕生にうってつけの地球でも長い時間が必要だった っと考えると
タイタンの大気はまだ少し若いのかもしれませんね。