その12≪刑務所のありかたとは・・・≫ | The Prison Chronicle ~リアルタイム刑務所日記~

その12≪刑務所のありかたとは・・・≫

「刑務所は、刑を執行するところであり、刑の執行は厳粛なものです。あなたは、この刑務所で生活している間を通じて、自分の犯した罪に誠実に向き合い、真剣に反省をするとともに、二度と犯罪に手を染めることなく、健全な社会の一員として生活していくため具体的な計画を立て、自身を持って出所していくことが期待されています。当所では、あなたが改善更生と円滑な社会復帰に向けて真剣な努力をすることをできる限り応援します。(以下省略)」


と、入所時に配られた”受刑者生活心得”にある。


さて、そもそも刑務所とはこうあるべきなのだろうが、実際のところはどうなのか、今回はそこら辺について書いていきたい。


私が考えるに、世の中の犯罪者の犯行動機の多く(勿論例外も多いが)は、その根底に「貧困」(要は金が目当て)というものが存在しているのだと思う。


日本国内で飢え死にをした人の話は今のところ余り耳にした事は無いが、本当に生活に困って犯罪に手を染めてしまうという人は意外と多いのである。


まあ、当の本人が怠けてきたのが悪いと言ってしまえばそれまでなのだが、十人十色という言葉がある様に、皆が同じレールの上を進めるかというと、それは否である。


そして、そのレールから逸れてしまったり、社会に馴染めなかった人達が何かしらのきっかけで犯罪を犯し、刑務所へと送られてくる。


私の様な殺人事件は動機が金銭絡みでも何でも無いので参考にはならないが、大概の金に困った人が犯す罪というのは、詐欺や強盗、窃盗なんかじゃないかと思う。


そして、上手いこと娑婆に金を残してきた人ならまだいいが、殆どの人は手元には何も残っていない。


それでも、せめて周囲の人達が手助けしてくれるのなら、まだ何とかなるのだろうが、事件を起こしたことによって家族や知人から縁を切られたり、元々身寄りが居なかった、という人達の未来には辛い現実が待っているのである。


刑務所の中に居る間は、衣・食・住が保証されているので、生きて行く事に何も問題は無いのだが、いざ、刑期の満了と共に社会に放り出された時、こういった人達が社会復帰を果たす術は皆無に近いのではないか?と私は思うのである。


何故かというと、前回も書いた通り、刑務所で得られる賃金というのは微々たるもの(短刑期の人は特に)で、家も仕事も持たない人が知っている頃とは勝手が変わってしまっている世界へと放たれるからである。(一応、保護会といって、ボランティアで仕事を斡旋してくれるところはあるらしいのだが)。


心の準備以外は何も準備ができていないとという状態で、どうやって社会に溶け込めというのだろうか?


少しは逆の立場でモノを考えて欲しいものである。


これでは折角刑務所に居る間に反省していたとしても、不本意にも前回と同じ様な道を辿ってしまうという結果を招いてしまうのではないだろうか。


ある程度の歳がいっていれば尚更のことである。


この世の中から犯罪を無くすことは不可能だろうが、減らす事はやり方次第では可能だと思う。


刑務所側(つまり国家)も、先に書いた様な最もらしい文句を並べるのならば、もっと具体的な社会復帰を果たす為の協力をしていくべきだと思う。


間違い無く刑務所の中には優秀な人材が数多く眠っている。


刑罰を受けるというのは、罪を犯した代償なのでこれは仕方ないが、刑期が満了したので「ハイどうぞ」と娑婆に放り出すだけでは、根本的な解決には繋がらないというケースが多いのではないだろうか?


昨今、犯罪者は増加の一途を辿っている。


刑務所へのリピーターがその一端を担っているのが原因の一つなのかもしれない。


今のところ私には周囲の協力が多々ある為、あらゆる面で助かってはいるのだが、ほんの些細なきっかけ一つで私もリピーターになりかねない。


明日は我が身とならぬ為にも、この先の受刑生活を心して掛かろうと思う。





9月分の作業賞与金  1281円        トータル  10605円