2017年6月から8月頃のこと。

予期せぬ2回目の手術を終え、無事退院した私は、再建方法に悩んでいた。

自家組織再建もしくは、脂肪注入か?


自家組織再建は穿通枝皮弁法を考えていたが、入院期間が長く、今の病院では専門医がいないため、他の病院に転院する必要があった。


脂肪注入は、いろんなクリニックにて、両側全摘は、あまり事例がなく、大量の注入が必要で、注入後、体外に流れてしまうリスクもある。また、保険適用外のため、医療費も高額になる。


いろんな病院、クリニックに相談しては、道が断たれ、これで、ダメだったら、自家組織再建しかないかな。と、その道では有名な総合病院の先生を訪ねた。


主人と一緒に待っていると同じ先生の診察を待つ患者の話が聞こえた。

「私は名古屋からで、3時間待っている」「私は富山からで、朝イチの新幹線乗ってきた」

予約時間をとおに過ぎており、子供のお迎え時間が気になっていた私たちは、ちょっとイライラしてたが、そんな会話を聞いてしまったら、文句は言えない。

だって、電車で40分だし、予約時間から1時間程度過ぎてただけだし。ああ、新参者は黙って瞑想しておきます。


そうこうしている内に、先輩方は、診察を終えられ、周りは私たちだけに。いよいよ不安は募る。


ようやく呼ばれて、いよいよ、先生と初対面。先生は今までの医師とは違った。患者の話を焦らせることなく、じっくり聞き、時折、話をまとめながら、次の話を促してくれる。話し終わった後、「それは、大変な思いをされましたね。脂肪注入、回数はかかるかもしれませんが、必ず出来ます。これからは私が貴方の力になります。一緒に頑張りましょう」と言ってくれた。

私が欲しかった言葉すべてを、さらっと、でも、心強く言ってくれた。


私は、医者のことを医師、主治医と書く。が、彼のことは、敬意と信頼、親しみを込めて、先生と呼ぶ。

先生の言葉にどれだけ心が軽くなったか、わからない。ありがちな表現かもしれないが、先生は心も救ってくれた。いい医師とは、症例数でも技術でも知識でもないんだなぁ。


と、言う事で、一瞬で先生に魅了された私は、即決で、脂肪注入に決めたのだった。