もぁらすの遊び場 -43ページ目

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入社して二カ月。



新しいことだらけだった私には余裕なんて文字はひとつもなくて、あっぷあっぷしていた。





23歳の誕生日は、明日。


彼氏いない歴23年。――もちろん、まっさらな私は、このご時世いまさらそんな化石みたいな自分の事を誰にも言えないでいた。


そういうキッカケは、何度かあったけど。


どうも恋と云うものがよくわからない。




要するに、理想が高いのだと自覚。


ゆえに、いいな、とすら思える男性に出会ったことがない。





「ちょっと、なにボサッとしてるの。そんなヒマあるならこれ、営業の当麻(とうま)様に渡してきて」



「とっ、当麻様!?」



ぶは!


っと、真剣な顔をした聖子先輩に笑いそうになって口元を押さえた





「行けばわかるわよ」




なんだなんだ、と首をかしげ、手渡された名刺を手にして私は営業課に向かって歩いた





総務課の私は、こうやってお使いによくつかわれる。というか、これは新人のたどる道なのはよくわかっている。





向かった営業フロア。


ただでさえ知らない人だらけなのに、歩いている人がほとんどだれかわらず、足が重い。



えーと、営業三課は・・・、あ。


ひときわ、あり得ない存在感をはなつ頭の飛びぬけた後ろ姿が目にはいった






「長身で、イケメン。俺様」





それしか教えてくれなかった聖子先輩。「みればわかる」という当麻様。


イケメン?


かどうかは、後ろ姿からは見えないけれど。





私はゆっくりとその背後に歩みを進めた。





「お疲れ様です、あの、当麻様」




あっ!


聖子先輩のせいで、当麻様とか言っちゃったじゃん!!




パソコンに向かってタイピングしていた当麻様は、一瞬動きを止めたが、また動き始めた。




――私を無視して。





「あ、あの・・・」



言ってしまったものは仕方ない。


私は無視する当麻様の机の端に新しい名刺の入った箱を二つ置いた。





「これ、届いたので」





それでも私を無視する当麻様の顔がどうしても見たくて


これは、単なる好奇心





「当麻、さ――」



「うるさい」










なん、です。と。