もぁらすの遊び場 -33ページ目



気が合う同期の仲間が突然、男に見えたとき






私の恋は、始まった。










「あー、まじ終電ないんだけど」




飲み会のあと、同じ方向に帰る。






今日は本社で会議があって、そのあとは部長に連れまわされて飲み会にカラオケ。




終電がなくなった私たちは、渋谷のネットカフェで夜を明かす。







私が大谷を恋愛対象として意識していても、大谷にはその気は全くない。







健全に朝日の下、始発の電車に乗り込む。






「お前、今日も出勤?」



「私は今日公休」



「マジで。俺今日横浜だよー。ちょっと遅れてくか」



「そんなこと言ってちゃんと行くくせに」




大谷は女癖が悪い。



新宿店の花山さんや、横浜店の篠崎さん、渋谷の竹田ちゃん、えーと、・・・・・・他は、誰だっけ。




でも、どんな意図があるのかはわからないけれど、公言する彼女はたった一人だ。





他は皆、ヒミツの関係。




そして女の数と比例して、大谷の担当地区の売り上げは毎月予算を達成している。








「じゃーな」



「お疲れ、今日も頑張って」



「おー」








先に降りた大谷の背中を見送って、私はいつもため息をつく。







「お前は手がかからないからいいよ」







いつだったか、大谷に言われた言葉。







手のかからない女だから、一夜の相手にもならない?





私はこの関係のままでいいなんて思ってない。



もっと私が頼りなかったら、大谷は私を抱いてくれるんだろうか。














「ねえ、大谷が大阪に転勤になったって」



「え?ああ、みたいだねー」





何も知らずに、本命の座にいる彼女の実花は



付き合っている男に会えないことに不満をもらすどころか、興味もなさそうだ。







そんなに興味がないのなら、別れてしまえばいいのに。







「なー、最近あいつなんか変じゃない?」




そんな電話が来たのは先日。




「何が?」



「実花の様子がおかしいんだけど」





大谷の口から実花の名前を聞いたのはこの時が初めてだった。





「さあ?」



「電話もでねーし」



「そうなんだ」



「つか、俺今日東京なんだよね。ちょっとお前付き合えよ」





そう呼び出されて渋谷の飲み屋で落ち合った。





大谷がどんなに女癖が悪くたってかまわない。



でも、その口から、女の名前は、聞きたくない。






「ねぇ。今日、うちで飲みなおさない?」






そうやって家に呼び寄せて



アルコールの勢いで、私は大谷の上にまたがった。






「いいけど、実花には言うなよ」





そうして、大谷と繋がった夜。







私は、すべてを失った。






















キスからその先は。【ノベル】本編