《1日目》
俺たちのクラスは体育館に集まりこれからどうするか決めていた。
このクラスの委員長である柊 汰賀(ひいらぎ たいが)を中心に。
汰賀はみんなを引っ張るクラスの中心的になる存在だ。
小学校1年からずっと空手をやっていて喧嘩もすごく強い。
この前も、汰賀が一人でいたところを5人の不良がお金を取ろうとしたけど逆にボコボコにしたらしい。
普段は明るくてみんなの中心にいて頼りになるし頭もいい。
「とりあえず、どうするか考えよう」
すごく冷静に話を始めた。
「もし力也が元に戻るのならみんなで協力してトラップなど作りなんとか1週間逃げ切る。もし戻らないなら力也を殺す。」
殺す!?同じクラスメートなんだぞ!?
簡単に言った汰賀だが内心は助けたい思いでいっぱいだった。
すると大門 愛香(だいもん あいか)がすっと手をあげた。
それに気づいた汰賀が愛香の名前を呼ぶ。
「どうした愛香」
「あのさ、私は力也君を助けたい。同じクラスの仲間だから・・・」
愛香の言葉にみんなが賛成する。
「よし!みんなで1週間逃げ切って力也を助けよう。」
こうして力也を助けることにきまった。
『ゲーム開始まであと15分』
突然体育館のアナウンスが鳴り始めた
あと15分か。
「皆!!聞いてくれ!!今から4,5人の班を急いで作ってくれ」
「力也はあと15分で動く!みんなもわかると思うがあれは力也だが力也じゃない!そしてあの薬が人体強化の薬なら間違いなく俺たちを殺しにくる。みんなが死んだら元も子もない。だから班を作ってくれ」
委員長の言葉で皆が一斉に班を作る。
だいだい5分くらいで終わった。
『ゲーム開始まであと3分』
「最後に言っとく。みんなで元の生活に戻そう。そろそろ来る。解散!!」
こうして1日目が始まった。
俺たちの班は沙希、愛香、汰賀、俺の四人だ。
体育館を離れ今は家庭科室で使えそうな武器を探していた。
この学校は校舎が1つだけど広いのが特徴だ。
この家庭科室と蓮たちの教室は離れていて、教室は3階で家庭科室は1階だ。
「これ使えそうじゃなーい?」
沙希と愛香が鍋と包丁を奥の部屋から持ってきた。
包丁は短いし鍋は重いからな。
このことを言おうとしたら汰賀が変わりに言った。
「なかなかいいが鍋は重いし包丁はリーチが短すぎて危険だ」
かといって何も持たないのはもっと危険だ。
それにここにはこれくらいしかない。
「じゃぁ野球ボールとバットは?」
「それいいな」
愛香の提案で俺たちは野球部の部室に行くことにした。
☆★☆★
蓮の親友隆弘は、高校の友達と遊んでいた。
少し不良っぽい感じだが中身はいいのが隆弘の特徴とも言える。
「隆弘。そういえば蓮はいないのか?」
蓮と隆弘はよく一緒に遊んでいるため隆弘の友達も蓮のことを知っていた。
「メールはさっき送ったけどまだ来ない」
「すぐにはこないだろうし適当に遊んでようぜ」
彼らは近くのゲームセンターに行き適当に時間を潰していた。
あれから3時間。蓮から連絡はこない。
携帯を確認した隆弘を見て友人がメール来たか聞いてきた。
俺はまだだと答えポケットにしまった。
勉強してるか出かけてるかだな。
今日は返事来ないと思うし明日まで気長に待つか。
あいつも忙しいんだろう。
☆★☆★
その頃蓮たちは、野球部の部室へと移動していた。
時刻は10時10分。
ゲームが開始されてからまだ10分しかたっていない。
あと2時間か・・・。
中に入るとボールやバット、グローブなどがたくさん置いてあった。
「一人一本はバット持ってけよ。男子が女子の分のバットも持つこと。女子はボールを持っていってくれ」
汰賀の指示ですばやく動く。
新品のバットを持って、女子が適当にボールを持って部屋を出ようとしたときに遠くから走る音が聞こえた。
誰にも見つからないようにロッカーに身を潜め小窓から外を覗く。
見ると男子4人のグループが何かから逃げるように走っているのが見えた。
そしてその後ろにはウイルスによって変化した力也が追いかけていた。
(なんて早さだ・・・)
まるで世界陸上を見ているかのような光景だった。
ここからだと遠いためか誰かはわからない。
「誰か双眼鏡か何か持ってない?」
蓮が聞くと愛香と沙希が探し始めた。
「あったよー!!」
うれしそうに沙希と愛香が持ってきた。
持ってきた双眼鏡で見てみる。
なっ・・・
一瞬硬直してしまうほど驚いた。
1時間前の力也と違い、全身が悪魔のようだった。
言葉では言い表せないほど・・・。
人間にはないはずの尻尾まである。
これが、AXZ-29ウイルスの力なのか。
こんなにも変わると元に戻らないだろ。
俺が双眼鏡から目を話すと汰賀からどうだったと聞かれた。
そして見たことを話した。
「助けに行こう」
「そうだな!」
「うん!」
「あったりまえ!」
部室から出ようとした直後に汰賀が3人を止めた。
「まずは作戦を考えないと。ただ突っ込んでもこっちがやられる」
どうする。
「来い」
汰賀はもう考えたのか。さすがだ。
彼の後を3人が追う。
ついたところは4階の教室だった。
こんなところでなにするんだ。
「あいつがここを通ったら4人で机を落とす。」
一瞬にして、ここまで考えるとは。
窓を開けて待機する。
そういえばほかの生徒はなぜいないんだ。
今日が土曜日だからか。
いや・・・それはない。
たぶん全部仕組んであるのだろう。
考えているうちに下から叫んでる声が聞こえた。
4人が一斉に下を見る。
「みんな準備するんだ」
落とす準備をしてぎりぎりまで待つ。
「よし今だ!!」
汰賀の合図で同時に机を落とした。
これで動きが止まったかと思い下をみる。
確かに動きはとまった。全部当たってないがこちらを睨んでいる。
まさか狙いが変わったのか!?
空気が重くなる。
しばらくやつを見ている。
すると姿勢を低くし、こちらに飛んでくるような感じだった。
そして勢いよく、ジャンプした。
流石にここまでは飛んでこないだろうと思ったが、それは違った。
4階まで飛んできて、こちらを睨んだあと下に落ちていった。
すごい跳躍力だ。驚きすぎて体が動かなかった。
動けるようになったあと下をみたらいなかった。
あれから2時間が立ち、昼の休憩になった。
みんなで体育館に集まりなにをするか決める事になった。
いまのところ全員無事だ。
「みんな無事だな」
委員長である汰賀が再確認した。
全員があたりを見渡すが誰一人犠牲になっていない。
「これから家庭科しつに行き昼ご飯食べようその後決める」
汰賀の意見に反対はなくひとまず家庭科室に向かうことにした。
家庭科室に着くと驚くことに食料が大量に置いてあった。
俺たちがいるときはなにもなかったのに
俺だけじゃなく、汰賀、愛香、沙希も考えてることは同じだった。
多いといっても一人一人前くらいだろう。
蓮たち4人以外は既に料理を開始していた。
すぐに彼らも混ざり作ることにした。
置いてあった材料で作り終え、みんなで食べるときに汰賀が話し始めた。
「食べながらでいいから聞いてくれ。」
「午後は暗くなりやつの思う壺だ。だから全員が外にいてお互いが助けれるように武器を探し、罠を仕掛ける。」
汰賀は続ける。
「皆死ぬなよ」
その一言でみんなの心がひとつになった気がした。
再開まであと10分
この時間が長く感じた。
そしてゲーム再開。この休憩時間で各自武器は徴収した。
俺たちは理科室に向かった。
みんなは外で隠れている。上からみれば、ばればれだが。
理科室に着くと武器となりそうな薬品がないかみた。
あるのはビーカー、食塩、マッチなどどれも使えそうになかった。
すると沙希と愛香でなにか話してるのがわかった。
「どうした?」
「マッチと油で燃やすのはどうかなって思ったの」
なるほど・・・
多少の時間稼ぎにはなるし、あるていどダメージを与えられるかもしれない。
油を取るため、家庭科室に向かった。
思ったとうり油がたくさんある。
持ち運べるように小さいビンに油をいれ一人二つずつもっていくことにした。
外に出て、みんなが隠れてる場所に向かう。
すぐに見つかり向こうがこっちに呼んでる気がしたので行ってみることにした。
「さっきから全然見えないんだよ。」
確かにどこを見ても見当たらない。
どこにいるんだ。
あれこれ考えているうちに終了時間がせまっていた。
残り時間あと20分。
だれもが初日は大丈夫だと確信したがそれは違った。
