なんだか寝付けない
小さい頃の記憶
暑い日の夜
物干し台で物音がする
そっと起きて見ると
母がちょこんと三角座り
「何してるん?」
「あんたもここへおいで」
タオルケットをもって
妹も一緒に
母を両側から挟んで座る
なまあたたかい夜風は
少しも涼しくないけれど
星を見ながら黙って……
近所のひとが起きはるからね
シーって
なんにも喋らんと
座ってたなぁ
言葉のあふれるこのごろ
ちょっとおつむが
お疲れぎみ
あの頃の母も
疲れてたんかなぁ
ベランダで星を見るには
少し寒いけれど
空をみてみよ
あのときの母の気持ちに
寄り添ってみよ
わたしにもなにか
わかるかもしれへんもんね