~~~後編~~~
大統領就任式の式典で海外要人席に席を割り当ててもらったことについては、これまでにも国務長官ジョン・シャーマンに感謝の意を伝えてある。
公的な立場を駆使した彼の親切や礼儀正しい思いやり、手厚いもてなしには、ここでもう一度ただただ感謝を繰り返さねばと思う。
画像は1895年ごろ
なぜなら、この文書を受け取る権限のある人物に届けるように、と私は指示したのでであったが、シャーマン長官は私の代理人たちの名刺を見るとすぐに、即彼らと内々に謁見する機会を与えてくれたからだ。
私の抗議声明、そしてハワイ人の愛国者連盟を代表する公認理事のジョセフ・ヘレルへが作成した同様の抗議文の二通とも国務長官の手に託された。
シャーマン長官はそのどちらにもしっかりと目を通した。
それから長官はパーマー船長に向き合い、問題となっている点について前向きな会話をし、その後で私側の代表は退席となった。
この時の面談についても、恒例のデマ情報がごまんと織り込まれた。
シャーマン長官が私の使者に会うのを拒否した、と述べている者があると思えば、私がわの代表が面会したのは長官の部下の誰それであると名前を挙げているところもある。
ついには抗議文は読まれもせずに政府の書庫行きとなり、お蔵入りになったと言い張る者まであった。
こうした記事はどれも全て嘘偽りばかりなのは言うまでもない。
シャーマン長官がその行動ぶりで示したのは、有能な外交官であるだけでなく常に品格ある立派な紳士であり続けたことだった。
条約の文書については、付録D を参照されたい。
(この章、了)