きてほしい人からのメールは待てど暮らせど大概こないもので、「これ以上送ったら迷惑かな・・・」とか「さらにうざがられたらどうしよう・・・」と悩んで何もできないうちに、2人の時間だけが止まったまま時は無常にも過ぎていく。

「お前かよwww」「またかよwww」と、見るたびにうんざりするような大量のメールの10分の1でいいから生存報告がほしい。


もはや愛してくれない人を愛するのは辛いことだ。 けれども、自分から愛していない人に愛されるほうがもっと不愉快だ。
by ジョルジュ・クールトリーヌ
「初詣行こう」

行けないなら言わないでほしかった。

出来ない約束はしないでほしかった。

どこかで気にして待っていたけど、

そんな淡い期待、しなきゃよかった。

3度目の、会えない正月。

今年もやっぱり、空回り。

今年はもう・・・。

期待なしに恋をするものだけが、誠の恋を知る。
by シラー
心の底に沈めてきた気持ちを解放してくれた初めての人。

甘えたい時は甘えて良かったんだ。

寂しい時は寂しいって言って良かったんだ。

素直に感情を出して良かったんだ。

そんな当たり前のようなことも、させてもらえなかったから。

肩の荷が降りるってこういうこと?

楽になるってこういうこと?

息ができるってこういうこと?

失くした記憶のカケラを、一緒に探しに行こう。

見付からなくても、これから一緒に作って行こう。

これから、二人で。

一緒に泣いた時に、はじめてお互いがどんなに愛し合っているのかが分かるものだ
by エミール・デシャン
 
もっと動揺するかと思った。
もっと苦しいかと思った。

全く意識しないなんて無理だけど。
大丈夫、あの頃よりは、
少し気持ちが楽になったみたい。

「気にしていたよ」
「事あるたびにチラッと見ていたよ」

いつものように飛び込んでいかない
敢えて引いて冷静に振る舞っていた私を
もし本当に気にしていたなら
そんなあなたの態度を、今更どうとったらいい?

今こうして心乱れずにいられるのは
時間のせいなのかあの人のおかげなのか。

それは逆に彼にとってもそうなのかもしれないけれど。

安堵感と寂しさが入り混じる。
薄暗がりの中、私はもう、彼の背中を見送るしかできない。


女は初めてできた恋人をいつまでも離すまいとする。
第二の恋人が出来ないかぎり。
by ラ・ロシュフーコー
私が彼と繋がっていることは
誰にも知られちゃいけない。

だけど、もし私が彼と繋がっていることを
あの人が知ったらどんな顔をするのだろう?

一番繋がってはいけない繋がりの中で
微かな優越感と僅かな安心感を覚えてきたけれど。

確かに芽生えた「好き」の気持ちを
否定するつもりは全くないけれど。

私が彼と繋がっていることが
あの人へのささやかで盛大な復讐なのかもしれない。

私が彼と会っていようがいまいが
あの人はどこで何をしているのかわからないのだから。


世の中にはフェアなことなんて何もない。
目には目を。復讐には復讐を。アンフェアにはアンフェアを。
by「アンフェア」
一緒に帰ろう。

少しでも一緒にいたいから。

たくさん話そう。

もっといろんなこと知りたいから。


仕事の時とはまた違った

その優しい笑顔が大好きだよ。

家が近付いていくごとに力がこもる

つないだその手を離したくないよ。


抱きしめられている時が、一番落ち着く。

そのぬくもりから離れる瞬間が、一番切ない。


帰る家は別々だけど、別れ際は精一杯の笑顔で見送ろう。

彼がくれたぬくもりを抱きしめながら、背を向けてまた歩き出す。

顔にかかる白い息が、まるで溢れて止まない想いのようで。


愛情とはからだとからだをよせて、さむさをあたためあうことなのだ。
by 金子光晴
そんな日もあるよね。

ゆっくり話せない日もあれば
思うようにいかない日もあるよね。

それでも、心配して色々見てくれているんだね。

帰り道にかかってきた電話。
電話だけど声が聞けたから
それだけで安心できた。

明日もまた、頑張ろう。

明日はもっと、話せますように。


抱きしめてキスをするだけが愛している証拠じゃない
遠くからそっと見守る愛のカタチだってある・・・
by 「セーラームーン」
余計なことを考えて思い悩む位なら
書類の山に埋もれて時間に追われて
残業している方がよっぽど楽だわ。

我々を恋愛から救うのは理性よりも多忙である
by 芥川龍之介
やっとゆっくり話ができたと思った頃には
もう帰らなくちゃいけない時間になっていて。

帰り際の彼の手を取り
物陰でぎゅっと抱きしめてもらう。

見付かっちゃうよ。

でも気持ちは止められない。

誰も知らない、秘密の抱擁。

スリルよりリスクより、
今はただ、彼のくれる安心感が心地良くて。


恋愛とは二人で愚かになることだ。
byポール・ヴァレリー
関係者から極秘で知らされたその話に
ショックで言葉に詰まってしまった。

言葉の代わりに涙だけが
ポロポロこぼれて止まらなかった。

ごめんねと言われても、誰が悪いってわけじゃない。
知らないよりは知っていた方がよかったと思うから。

だけど、溢れて持て余して止まらない
この気持ちをやり場をどこに持っていったらいい?

こんなに好きになれたのに。
やっと気持ちを伝えられたのに。
今すごく幸せだったのに。
これからもっと楽しくなりそうだったのに。

お願い、神様。

お願いだから。

彼を連れて行かないで。


短く笑って、長く泣く。それが恋の習いだ。
byガイベル