前編[◎]
中編[◎]
[◎]Attention..!
※帝光
※感動系を目指したもの.
※黒子っちがどこかにいってしまうお話
※黄黒 腐向け注意
※ちなみにバスケ部が崩壊していくちょっと前くらいの時期...?かも
赤司様の呼び方困る
※あ,紫原っちだった,すいませんテツ(ㅎ◡ु<)ペロ
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あの時から,時間が過ぎ,放課後。
授業が一通り終わり,黄瀬はとっさに鞄を持ち教室を出る。
先「おっ,おい,黄瀬!!まだ学校が終わったわけじゃっ..」
黄「すいませんっス先生!!俺,今急いでるんで!!じゃ!!」
ガラッ,と扉が閉まったが,先生はその閉まる扉を掴み廊下を除いた
先「じゃっじゃない!!!!!!おっおい,待て!!」
先生が走ろうとしたとき。
黄瀬の身体能力は伊達じゃない,もういなかった
先「速えよ黄瀬ェ...」
黄瀬はそんなこともお構いなしに,まっすぐ,まっすぐ突き進んでいった。
黄「黒子っち...一体どこに行ったんスかぁ!!」
黄瀬は下駄箱に着き,靴に履きかえようとしたとき,ふと思い出した。
黄「そうだ,紫っちに聞けばいいんだ!」
紫原は黒子と同じクラスだ,今ならいるかもしれない。
黄瀬はそう考えたのだ。
クルッと360°周り,もう一度廊下を駆け巡った。
タッタッタッタ..
黄瀬は結構な長距離を走ったが,全然息を切らさず,
紫原がいる教室についた。
ガラッ
黄「紫っち!!!!!!」
教室に黄瀬の声が響く それと同時に女子の声も響きだす。
女「ギャー!!キセリョよ!!!!!」女「黄瀬君ー!!私達に会いにきたの??」
ワーキャー言っている女子をお構いなく通り過ぎ,紫原の席の目の前に黄瀬は立った。
黄「ねえ!!黒子っちっているっスか!!!!!!」
紫原はいつものように,お菓子の袋を持ち口をもぐぱくしていた。
お菓子を一通り食べ,ゴクン.と喉の音を鳴らし,紫原は口を開いた。
紫「なあに,黄瀬ちん-顔が煩いから早くどっか行ってよね-」
黄「ひどいっス!!」
いつものような会話を繰り広げていたが
黄瀬はハッと我に返り,「違うっス!」と首を振った。
黄「違うんス,紫っち!!俺はそんなことをしに来たんじゃないんス-!!」
紫「フーン,じゃあ何-?早く言ってよね-」
黄瀬は言い合いに疲れたのか息を切らしていた。
大きく息を吸い込み,大きな声で言った。
黄「黒子っち来てるっs(紫「いないよ」」
黄「即答!?」
こんなに時間をロスしたのに来てないって可笑しいでしょ!!と黄瀬は思った。
というか最初に下駄箱にいたんだったら
下駄箱の黒子っちの靴見れば一発じゃないスか!!
そう,黄瀬は馬鹿なのだ,馬鹿なのだ。
黄「も~~~~~!!!!!!!分かった,有難う,紫っち!!」
紫「うん-早く行ってね-じゃあね-」
黄瀬は女子の壁を「邪魔!」と,通り過ぎ扉を開けて,もう一度ダッシュで廊下を駆け抜けた
先「廊下を走るな黄瀬ぇ!!!!!」
先生の声が響く中,黄瀬は気づかずに廊下を走って行った。
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黄瀬は学校を出て,門の前に立った。
黄「どうしよう,黒子っちなんて影が薄くて今の俺でも全っ然わかんないのに...」
黄瀬は焦っているが,それでは駄目だ,と立ち直った。
黄「とりあえず,探す...か」
黄瀬は門を出て走って行った
黒子っちがよくいくところくらいは黄瀬はわかっている
図書館,本屋,バスケットコート そして
川辺だ
黄「よしっ,一通り探すっスよ ... !!」
それから黄瀬は一通り探した
図書館本屋バスケットコート...隈なく探した
黒子っちは影が薄すぎる。俺が見つけれる分けない
そう思ったときもあったが黄瀬はうつむかず前だけ見て必死に探した
飽きっぽい黄瀬でも,愛する黒子のためなら何でもできるからだ
黄瀬は一心不乱に黒子を探した
やはり見つかりはしない
黄「もうっ...あそこしかないじゃんっ...!!」
黄瀬は丸一時間探していたので息を切らしてゼーゼー言っていた
だが,黒子のことを思い出し大きく息を吸い込むとまた走って行った
黄瀬は川辺についた
黄「黒子っち!!!!どこっスかー!!!いたらっ..返事してくださいっス!!」
黄瀬は大声で黒子を探し続けた
黒子のことを一途に考え,必死に探した
黒子っちは...本当に影が薄くて読めない人
しかもパンチは痛いし俺が構ってほしいときは「邪魔しないでください」と突き放してしまう,黒子っち
だけど自分が甘えたいときは遠回りなやり方で俺に構ってほしい,という合図を送る
そこがまた可愛い...
そんなパンチが痛くて冷たい目線だけれど時に可愛くて面倒見が合って男前で...
バスケに真剣で,俺が雑誌出したときはすぐ買ってくれるし...
黒子っち,黒子っち,黒子っち
----黄瀬はいつのまにか涙が出ていた ボロボロ,泣きだした
黒子っち,どこにいるの,何でずっと居ないの?ねえ,お願い,出てきて
大好きだよ,パンチも視線も痛いけど,そんな黒子っちが大好きだから
黄瀬はボロボロ泣きながら川辺の上の橋の影に隠れた
黄「っ..黒子っち...今どこに居るのっ...?」
ボロボロ,ただ黒子のことを思ってずっと泣いていた
綺麗な雫,今その雫がポタポタ,草むらにたれていく
雫---水色で綺麗な色でキラキラ光りながら垂れていくのであった
「そんなに泣いていたら,綺麗な顔がしわくちゃになりますよ」
...?
「黄瀬君」
その柔らかな声で,黄瀬を呼ぶ
黒子の姿があった
黄「っ黒...」
黒「どうしたんですか,黄瀬君 そんなに泣いて」
黄瀬は泣きたい気持ち,抱きしめたい そんな気持ちを抑えて口を開いた
黄「だって..今日っ..黒子っちっがっ..部活にも来なっ,いしっ..
学校にも一度もっ顔出してないっ...」
黒子は黄瀬の前でしゃがみ,その柔らかな顔で「うんうん」と優しくうなずいた
黄「ずっと..俺っ,会いたかったのに..昨日会っただけじゃ足りないっ..もんっ...
黒子っち,ねえ...黒子っち...」
うんうん
「好きだよ,ずっと 大好き だから,俺のそばにいてっ...」
そこから沈黙が続いた
しばらくして黒子はハア..と大きなため息をついた
黒「その言葉,ずっと,待ってました」
黄瀬はハッとし黒子と視線を合わせると黒子は大きな涙粒を浮かべていた
黒「僕も,君が..ずっと大好きです そばに 居たいです でも,黄瀬君はまだ本当の愛を示していないように見えたんです」
黄「っ..違う !! 違うんス..!!それはっ..」
黒子はフルフル,と小さく首を振った
そして,黒子が背負っていたリュックから
向日葵を取り出した
黒「覚えてますか」
黄瀬は黒子が取り出した向日葵をじっと見つめ向日葵を脳に巡らせた
それは昨日のことだった
そうだ,昨日 この向日葵で約束を...
ずっと一緒にいよう 誓う と
黒「僕はずっとこれを持っています」
黄瀬はハッとして,向日葵のことを思い出した
昨日,この向日葵を....たしかっ....!
黒「君の部屋に飾った..とでも..? きっと,リビングに置いたんでしょう」
ようやく思い出した 黒子の勘が当たってしまった
黄「そうっスね...リビングに置いたっス」
黒「相変わらず君はバカですね」
黄「ひどいっス!!」
黒子は大きく,深呼吸をして黄瀬と目線を合わせた
そして,語り始めたのだ
黒「僕はバスケに関しても影が薄く,チームでは邪魔者でした」
「だから,僕はバスケをやめようとしました そうずっと決めていたんです」
黄瀬はゴクッを喉を鳴らした
俺は,才能に恵まれているんだ,とふと感じた
黒「でも,そこから青峰君,そして赤司君に出会いました」
「青峰君はこんな僕でも「テツ」と言って親しんでくれました」
「赤司君は僕のその影の薄さで中継役というところまで恵んでくれました」
「僕はとても幸せ者です」
「そこで出会ったのが君たち,キセキの世代でした」
「しかも黄瀬君は入ったばっかなのになんですか,すぐレギュラー化ですよ」
「馬鹿ですか」
その言葉に黄瀬はウッとなってしまった うん,そりゃ..そうかな
黒「そこはどうでもいいです,重要なのはそこから」
「僕は黄瀬君のお世話係になりました」
「なのに,何ですかあの態度 馬鹿にしているんでしょうか」
「僕のことを「黒子君」と呼び,「こいつのどこがいいんスかー!」なんて言っちゃって」
「正直僕はカチンときました」
黄「すいませんでした」
黒「でも,黄瀬君は僕のプレイを見て認めてくれました」
「今では黒子っちなんて言っていっつも来ますしね,犬ですか黄瀬君は」
「..とか言っているうちに,付き合うようになっちゃって」
「黄瀬君は「好きです」とストレートに言ってくれた」
「僕は黄瀬君の言葉を信じて「はい」と答えました」
「正直色々不安でした...難点があったので」
「男なのに,僕は邪魔者なのに,影が薄いのに,空気も読めない」
「どこがいいのかさっぱりわかんなくて,悩んでました」
「黄瀬君はとっても明るくて大好きです,とっても」
「だけど,分からなかった」
「だから僕は,昨日向日葵を渡しました,黄瀬君にぴったりな,花です」
「黄瀬君は真面目に受け取ってくれました とっても嬉しかったです」
「でも」
黄「...でも?」
黒「怖くて仕方なかった 何もわからなかった」
「最後に黒子っちなんて言って,手を振ってくれて」
「僕は幸せ者だ 少しそう思いました」
「やっぱり怖くて 頭がごちゃごちゃになってしまって,訳が分からなくなった」
「好きなのか,何で受け取ってくれたのか そう考えるだけで吐きそうになりました」
「今日来なかったのはどうすればいいのかわからなくなってしまって」
「それで皆さんにも迷惑をっ...」
黄瀬はそれまでわからなかった
やっぱり黒子っちはよくわからない
黒子は泣いていた
黄瀬はこの時思った
それだけ辛かったか,不安だったかが分かった
黄瀬はそれまで浮かれていた 「あの黒子っちが」 とか言ってスキップ状態だった
だけど,黒子っちはやっぱりそれなりの意見があること
俺も見直そうと思った
黒子は,泣きたい気持ちを抑えて,話をしてくれたのだろう
ずっと,抱えていたことを,全部,吐いてくれたのだろう
そんなこと,考えると嬉しくてたまらない
黄瀬は,震えてなく黒子を,そっと抱きしめた
黒「!!」
黄瀬はそっと,囁いた
黄「怯えなくても大丈夫っス」
「そりゃ俺だって黒子っちよりも大人じゃないんス」
「あまりそこまでは考えてなかったっス」
「だから,ここであらためていうね」
「誰よりも好きだから,大好きだから」
「安心して」
----午後7:00
黒子は安心したのか,大泣きしてしまった
だけど黄瀬はなにもいわずそっと,背中をポンポン,と叩いていた
黄「あっ,ここで黒子っちに一つお願い」
黒「っ...何ですか」
黄瀬は優しく微笑んだ後,黒子の指先にキスをして口を開いた
黄「薬指の,先約 いいっスか?」
黄瀬はニコッと笑った
黒子は目をパァッを輝かせ,そのあと優しい笑みを浮かべた
黒「勿論です」
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黒「それまでは,この向日葵を,指輪だと思って大切にします」
黄「約束っスよ!!」
