ヘンデルのメサイア 番外編 | コリンヤーガーの哲学の別荘

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30年温めてきた哲学を世に問う、哲学と音楽と語学に関する勝手な独り言。

 ヘンデルのメサイアの連載議事はここでブレイクタイムです。

 

 ヘンデルはイタリアオペラをイギリスに持ち込んで大変受け入れられた作曲家です。

 1711年にヘンデルのロンドンでの最初のオペラ『リナルド』は、イタリア語上演であったにもかかわらず、本場イタリアオペラの素晴らしさを初めて知ったロンドンの大衆に支持されて15回の上演を数えた。

 ヘンデルは基本的に「オペラ」作曲家であって、オペラを一曲も書かなかったバッハが基本的に器楽作曲家であったことと比肩をなしている。

 オペラの構成要素は、「レスタティーボ」「アリア」「重唱」「合唱」であり、しかしオペラという「劇」には「人物」が重要で、ゆえに「人が感情を表現する個人として描かれる」アリアこそヘンデルの真骨頂である。

 メサイアにおいては、これに「宗教」という「集団性」が重要視されるから「合唱」が必然的に物語の「帰結」を語る。この点オラトリオはオペラよりも「合唱」の意義の比重が重たい。

 

 さて「メサイア」はこのまま進むのだけれども、ヘンデルの「オペラ」アリア集のCDとして、森麻季さんのCDを推薦しておきたい。

 

 

 ヘンデルのオペラアリア集だが、ヘンデルのアリアを理解するには、こういうCDがよいと思う。

 森麻季さんには、THE BEST MAKI MORI というCDもあって、そこでは、ヘンデルの「メサイア」のアリア「大いに喜べ、シオンの娘よ」も収録されている。

 

 2013年に、神戸で森麻季とイタリア合奏団とのコンサートで、森さんのヴィヴァルディとヘンデルを聴いたが、こんなにもpppが会場を貫くのだとと実感した。「音量」より「響き」なのである。

 

 ゆえに、ヘンデルは、「響きの効果」をよく知っていた。「歌手に力ませる必要はない」「響き」重視は「圧倒する」「音量」ではなくて、音の「貫通」を保障する「美しさ」である。

 

 終わり