昔はゴールデンウィークの頃、
お庭に遊びに来てくれるお友達を、満開のモッコウバラと一緒にお出迎えしたものでした。
今年は3月中旬に小さな蕾をたくさん付けはじめ、4月の初めにはこんなにたくさんの花が咲きました。
春の花達の開花は年々早くなっていきますね。
ですがちまさん、まだ寒い時期に調子に乗って誘引をし過ぎたらしく、
お日様が好きなコデマリの上にどさっと覆いかぶさってしまいました。
今年のコデマリは花数が少なくて少し気の毒。
花の咲いた風景をイメージして誘引しなくちゃね、って
御庭番のおゆきからのアドバイスです。
宿根草や多年草は休眠しているとついつい存在感が薄れてしまいますが、
大きく育つものが多いですからね。
そんなモッコウバラが見ごろを迎え、バラのアーチもがっしりとしてきた頃、
お花好きのお友達が遊びに来てくれました。
その頃になると足元にはノースポールが広がり、素朴な春のお庭が完成していました。
その季節ごとに惹かれる色合いがあって、どの色の花もとても愛らしいのですが、
”おゆきを探せ!”みたいに、白い小さな花達に紛れ込むのが好きなのです。
実際にはお客様がいらっしゃると嬉しくなって、すぐに尻尾を振って駆けていくから、
隠れん坊はできないのですけどね。
バラのアーチの向こうにある緑に覆われた小さな空間にも、
今年はモッコウバラを誘引させていました。
この間に立つと、過ぎていった人や動物達の記憶がふとよみがえったり、
花や草、ここで暮らす虫達や鳥達の存在がとても逞しく感じれられたりして、
命の切なさや優しさで心が静かになるのです。
時にはテーブルを置いて、”おゆきの占いのお庭”で助手を務めることもあるのですよ。
(ちまさんはタロット鑑定士の資格を持っているのです)
ある年、大きな建物が建って日差しを遮られた時、花数がぐんと減ったモッコウバラに悲観したこともありましたが、
毎年、日の当たる方に引っ張り、引っ張りして、ようやく花数が増えてきました。
昔のようにフェンス一面真っ白!という姿は見られなくても、
新しい環境の中で、それに見合う頑張りを見せてくれるモッコウバラに、おゆきはとても感謝しているのです。
4月も下旬になり、今はほとんど枯れてしまったモッコウバラ。
茶色くなって、何度か雨に降られて、そしてその内、大きなハサミを持ったちまさんがザクザクと刈込に挑むでしょう。
開花はとても早かったものの、冴え返りを繰り返し、この春は1か月近くもお庭を優しく包んでくれました。
また来年もたくさんのお花を付けてくれたらいいなぁと思う、
おゆきなのです。
by ゆき♀