ドラえもん。


今日はマイナス105歳の誕生日。


ハッピーバースデークラッカー



HA-HA-HA!!!!









歳を重ねてから改めてドラえもんを読んだり見たりしてみると、
その内容の奥深さや難しさに驚く。
特に大長編。


『アニマル惑星』の環境問題への興味喚起、
『龍の騎士』『日本誕生』におけるタイムパラドクス理論の微妙な使い方、
『恐竜』『雲の王国』における、古代生物へのロマンなどなど。






『龍の騎士』に、こんなやりとりがあった。


一同「ヒエー、黄金の恐竜化石!!」

ロー「聖域から発掘されたの。神の奇跡のしるしよ。」


でも、ここでスネ夫がこういう。


スネ夫「奇跡だって。単なるステノニコサウルスの置換化石なのに。」

のび太「チカンカセキ?」

スネ夫「地中の黄鉄鉱が、そのままそっくり化石の成分と入れ替わったものさ。」

のび太「なあんだ」





・・・・

子供の頃、俺はこのやりとりを読んで、

「置換化石というのは当然の知識なんだ」
「のび太にもわかるほど、簡単な理屈なんだ」
「ステノニコサウルスってのはメジャーな生物なんだ」


と、思った記憶がある。



とんでもねえ。


出木杉くんだけじゃなく、スネ夫ですら、知識量がハンパじゃない。

ちなみに『魔界大冒険』での出木杉くんの会話。



のび太「あの、きっと笑うだろうけど、今も魔法って存在しないのかな?」

出木杉「笑わないよ。魔法だって昔は立派な学問として研究されていたんだから。」


その後の会話をまとめると、

「太古の人々は、自然現象は何かの精霊の力だと思い、
自分たちも精霊の力を借りようと研究した。それが魔法の始まり。」

「13~15世紀くらいにかけて徹底的な魔女狩りが行われ、魔法は断絶した。」

「一方、中世では錬金術なんてのが流行った。あれが現在の科学につながった。
つまり、科学も魔法も根はひとつなんだ。」





・・・


すげえよ出木杉くん。


当時はこの話を作り話だと思ったけど、
受験で世界史をトコトンやったら、リアルだって解った。

「科学も魔法も根はひとつ」なんて、
ニュートンが「最後の錬金術師」と呼ばれてるのを踏まえたんだろうか。
俺、そこらへんを認識したのは結構最近なんですが。

飛び級したらいかがか。




そんなわけで、俺はこの世界を基準に考えて育ってしまった。
偏った知識の源泉であり原点であるドラえもんの世界。



今でも、年に一度くらい

「引き出しが開いて中から・・・」


なんて考えたり






・・・は、さすがにしない。