読み終わって、しばらくして内容を思い返してまた泣いた。
前半、りくは喜怒哀楽の実感がわからない。「好かれる」事も、「好きになる」実感もわからない。
彼女は他人が、人を好きになったり、喜んだり悲しんだり怒ったり泣いたり笑ったりしているのを、きっとそれは演技で、欺瞞的だと思い込んでいるようだった。
自分にはその感覚が無いのだから無理も無い。
だから、他人から好意を持たれると、その欺瞞性にオエッとなり、猛スピードで逃げたのだと思う。
彼女はまた、他人ができるように自然に泣くことも、できた試しが無い。だから、意図的に涙を流せるようになった。彼女は状況に応じて能動的に涙を流す。
彼女は、自分で自分の感情を抑圧している事に気づいていなかった。
これは、彼女が自分の心の中の金庫に自分の感情を鍵をかけて閉じ込めていた事に気づく物語だと思う。
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