○縦隔
左右に肺、前に胸骨、後ろに脊椎、下に横隔膜に囲まれたエリアのこと。
縦隔には、心臓や肺、心臓に出入りする血管、気管や気管支、食道などが存在する。
縦隔は「上縦隔」、「前縦隔」、「中縦隔」、「後縦隔」の4つにエリア分けできる。
上縦隔:縦隔の一番上(胸骨下縁)~第4胸椎まで
前縦隔:胸骨と心臓前面の間
中縦隔:心臓前面と後面の間
後縦隔:心膜後面と胸椎(脊髄の一部)の間
○胸郭
胸骨、肋骨、胸椎(脊髄の一部)や、それに付随する筋肉からなる。
胸郭内には2つの膜があり、胸壁(胸郭の壁)に張り付いている壁側胸膜、肺に張り付いてい
る臓壁胸膜がある。
この2つの胸膜の間には空間があり、胸膜腔(胸腔)という。この胸腔には少量のリンパ液で
満ちている。胸腔は常に陰圧で保たれており、安静時の胸腔内圧は-5cmH2O~-10cmH2O
となっている。
※陰圧とは・・・
大気圧よりも圧が低い状態。圧は高いほうの圧から低いほうの圧へと移動していく性質があるため、胸腔内が陰圧であることで肺が外側に引っ張られ膨張することで形が保たれる。
※cmH2O=水柱センチメートル