通常、刺激伝導系では洞結節から電気が発生し、洞房結節を介して左脚、右脚へ伝わり心房、心室の順に収縮していく。

この電気の方向がちゃんと正しい方向にあるかどうか調べるために電気軸、右軸偏位、左軸偏位という概念が用いられる。心電図には様々な誘導があるが、電気軸を評価するときはⅠ誘導と、aVF誘導(R波ーS波)の2つを利用する。

Ⅰ誘導(+)、aVf誘導(+)⇒正常
Ⅰ誘導(-)、aVf誘導(+)⇒右軸偏位
Ⅰ誘導(+)、aVf誘導(-)⇒左軸偏位

と考えられる。

 

①脚ブロック
②心室肥大
③心筋虚血
以上の要因を呈している患者は電気軸に偏位を認めやすい。

右軸偏位の原因としては右室肥大、肺性心、左脚後枝ブロックなどがあり、左軸偏位の原因としては左室肥大、左脚前枝ブロック、下壁梗塞などがある。