保安官 | 森岡豊オフィシャルブログ「まわり道ゆたか道」Powered by Ameba

保安官

寒くも暑くもなく、過ごしやすい穏やかな一日でしたね。
さて、今回のブログは長いですよw



今日は暗いうちから目を覚まし、一路千葉へ。お目当ては乗馬。




電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、1時間半以上かけて八幡宿へ。そこからバスに揺られ揺られて終点まで。さらに歩いて20分。着いた先は…、



いいえ、ただの田舎です(笑)。




でもホント、一歩足を踏み入れると、西部劇に出てくるような風情があるんです。







驚くなかれ、このログハウスも、馬場も、ツリーハウスも、全てが手造り。




こここそが、オレが時代劇で馬を走らせなければならなかった時、毎日のように通い詰めた、“フロンティア・ヴィレッジ”です。



ここの主、岡田さんです。でも、名前で呼んだことなどありません。保安官です。
何故、保安官か?それはね、保安官が西部劇きちがいだから(笑)。




馬をこよなく愛し、西部劇とギターが大好き。その結果、この乗馬クラブ(と言っていいのだろうか?)を始めたそうです。




オレも何本、西部劇映画を観させられたことか。




オレと保安官との出会いは、忘れようとしても、忘れられるものではございません(by 牧 文四郎w)。




今から約3年前、当時所属していた事務所から、ある日、

『森岡、お前馬に乗ったことあるのか?』。

オレ『ありますけど、ほんの少しですよ。』

『そうか、分かった。』




暫くして台本が届きました。テレビ版の、『天と地と』。




喜びながらページを捲っていくと、オレが出るシーンのト書きに、

“本陣に、単騎で馬を疾駆させてくる竹俣(オレの役名)、馬から飛び降り…『申し上げます!』”

はい?




目をゴシゴシ。




え?疾駆??飛び降りる???
疾駆って、ギャロップですかぁ!?


事務所『一度、撮影前に京都で練習させてくれるらしいから、大丈夫だろ。』

オレ『…。』


たしかに一度、日帰り京都で練習させて頂きましたよ。でもね、そんなに乗馬は甘くない。




帰りの新幹線の中で焦りに焦り、翌日、東京近郊の乗馬クラブに片っ端から電話。
けどね~、いきなり初心者を、駆け足で乗らせてくれるとこなんてないですよ。




万事休すかと思ったラストの電話で、神が降臨しました(笑)。




保安官『それは大変だね~。ウチにおいでよ。』




いや、ホントに救われた思いでした。




で、翌日からは猛特訓。撮影日まではあと僅か。




普通の乗馬クラブじゃありえないけど、裸馬に乗せてもらったり、時代劇用に反対側から乗り降りしたり、走らせてる途中に飛び降りたり…。




お尻の皮は剥けるわ、足腰膝はガクガクになるわ。で、往復の距離もあるでしょ?
ある意味、地獄の日々でしたね。




そして、本番当日。。。  




川中島の戦い。オレは上杉方。本陣で待ち受ける謙信はトキオの松岡くん。その配下には、寺島進さんやら的場浩司さんなどなど、錚々たる顔ぶれ。




回りは大勢のエキストラの皆さん。




鎧着てるし、背中にはでっかい母衣(ほろ)を背負ってるし、アブミは時代劇用だしで、全て勝手が違う。




しかもテストなし。もうね、口から心臓が飛び出そうでした。




決して上手に乗れたとは思いません。
ですが、一発でOK。




全ては保安官のお陰でした。保安官の教えがなければ、散々な結果だったと思います。間違いなく。




それ以来、たまに来ては安い料金で乗らせてもらってます。

保安官『森岡くんは、まだ売れてないんだから、一日どんだけ乗っても安くでいいよ~。』

有り難いことです。感謝。




この保安官、なんと70歳!
はっきり言って高齢者です。でも来年、長年の夢であったアメリカ、モンタナに旅に行くそうです。




なんていうフロンティアスピリッツ。なんていう夢追人。
保安官はいつも、馬術だけでなく、人生を開拓していく強さも教えてくれます。




オレも自分で選んだ好きな道。かくありたいものです。




それにしても…、




既に足腰が痛い。明日は筋肉痛だな。
いや…、もしかしたら明後日か(苦笑)。



この身に付けている黒いチャップス(脚部を保護するもの、脚絆またいなもんですね)も、保安官からの頂き物。




オレのブログなんて読まないであろう、保安官。




本当にありがとうございます。








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