ショーコの言葉は無視してサキは続ける。
「ショーコさんは今の会社にいられなくなりますし、当然逮捕も免れません」
「あんたの友達の男とヤッたからってなんで逮捕されんのよ。大体あんたの友達がリョウジの彼女だっていつ決まったわけ?」
ガンっと、ショーコがテーブルを叩き、水が入ったグラスが揺らいだ。
「名義貸しと暴力団への関与のこと言ってるんです!」
サキも負けずに言い返す。
周りの客やウエイトレスが二人を見る。
バツが悪そうに、二人は居住まいを正した。
「大学生に説教されるなんて、私も終ってるわね」
ショーコが煙草に火をつける。
「お客様、あいにくランチタイムは禁煙でして」
ウエイトレスが申し訳なさそうに、ショーコの煙草を咎めた。
ショーコは舌打ちをして、煙草を持ったまま席を立つ。
そして1000円札をぴしゃりとテーブルに叩き付けた。
「煙草吸うから行くわ。コレ、私の分。あんたの分は自分で出しなさい」
「言われなくてもそうします」
サキもきっぱり言った。
「夜、私は18時に終りますけど、宴会は17時から始まりますからそれまでには裏口から入ってくださいね」
「わかってるわよ」
ショーコはヴィトンのバッグを掴むと、振り返らずに出て行った。