「きゃー♪ヨッシー、いい飲みっぷりぃ~」
ガンガンと激しい音楽が鳴り響く店内に、それ以上のヴォリュームで甲高い声が響く。
「いやあ~ユキちゃんと居たら楽しくなってお酒進んじゃうねッ」
ヨシオがユキと呼ばれたキャバ嬢の肩を抱く。
「おいおい、ヨシオ~。あんまり飲みすぎるとまた“嫁”に怒られんぞー」
「嫁じゃねぇって」
カズヒコがヨシオの真似をして肩を抱くが、ヨシオはそれを不機嫌に振り払う。
「ストレス溜まってんな、あいつ」
ヒロシがメガネを上げながらつぶやく。
「ヒーロさんっ。そんな辛気臭い顔して飲んでたらつまんないでしょー。ほらほら、マイが注いであげるからぁ♪もっと飲んで飲んで!」
別なキャバ嬢、マイがヒロシにシャンパンを注ぐ。
今日は特に接待というわけでもない。いつもの三人で談合だ。食事をしながら今後の展望や計画を話し、あとは飲み会に行くのがお決まりのコース。
「よぉ~し、ヨッシー歌いまっす!ユキちゃん、いつものやついれて~」
「はぁーい!」
カラオケが流れ、ヨシオにマイクが渡る。
「キャー」
「あはははは」
ヨシオがフロアに出て踊りながら歌う。
キャバ嬢たちがそれを囃し立て、周りの客も笑う。ヨシオは楽しそうだ。
それを遠目で見ながら、ヒロシはため息をついた。