「い、池見さん、こいつ、あれですよ。例の・・・」
雑魚の一人が、池見と呼ばれた、ミーナを連れ去った男に耳打ちをする。
「例の、って言ってもらえるほど、有名になったのかしら、私」
「そんなのどうでもいい!お前ら、やっちまえ!」
「おおおおおお」
雄たけびを上げた男たちが女に襲い掛かる。
男たちの前にひらりと鞭が舞った。緩やかに弧を描いた鞭は、その優雅な形状とは裏腹に、容赦なく男たちを打ちのめす。
ビシッ!
ビシッ!
静かなビルに、鞭のしなる音が響く。
「行くわよーーーーーー!!!」
唖然とするミーナ。
誰なんだ、あの、ボンテージに身を包んだ、アイマスクの女は・・・
声は・・・声はどこかで聞いたことがある気がするのだが・・・
しかし今は、女の正体を見極めている場合ではない。
男達の気を、あの女が引いてくれている間に、ここを逃げ出さなくては。
だが、相変わらずミーナの周りには、小ざかしい黒服の男がべったりと張り付いていて、逃げることができない。
「相変わらず、お遊びが好きなおぼっちゃんたちのようねっ」
真っ赤な鞭を振るう、女。
「うおおっ」