男はそのまま、ミーナを歩かせる。

古めかしいビルの前まで来ると、中に押し込まれた。

テナントが空いたその場所はがらんとしていて、何もない。

部屋に入ったとたん、ミーナは後ろから突き飛ばされ、思い切り前に倒れた。

手と膝を激しく床に打つ。

「何すんのよ!」

「それはこっちの台詞だ」

男が言う。

ざっと人の気配がした。

・・・囲まれた・・・・?

黒服の男たちが、床にしゃがみこんだままのミーナを見下ろす。

軽く10人はいるだろうか。

しかし、そこに高橋の姿はない。

「はーい。ここからは、私がお相手をするわ!」

背後からの女の声に、その場の全員がドアの方を振り返った。

「だ、誰だ」

「お、お前、鍵はかけたはずだぞ」

「そう?そんなの知ったこっちゃないわ。か弱い女の子を拉致して、暴力を振るうなんて、いい男がすることじゃないわね」

暗闇に何かが光るのは、女が握る真っ赤な鞭。

「今夜のお相手は、この情熱マリーがして差し上げるわ」

「情熱マリー?!」