2018冬ドラマの中間決算~上位ドラマはなぜ評価されたのか?~(鈴木祐司) - 個人 - Yahoo!ニュース



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2017年冬ドラマが後半戦に入った。


リアルタイム視聴率・タイムシフト視聴率・総接触者数が量的評価…

満足度と次回見たい率が質的評価…

5指標の総合評価で


1位『99.9-刑事専門弁護士-』

2位『アンナチュラル』

3位『BG~身辺警護人~』

4位『もみ消して冬』

5位『FINAL CUT』


量的評価

リアルタイム視聴率


1位は5話までの平均が16.6%の『99.9』

2位は6話平均14.5%の『BG』

3位は6話平均11.2%の『アンナチュラル』




タイムシフト視聴率


5話平均で13%を超える『99.9』が1位

5話平均が約13%の『アンナチュラル』が2位

10%台の『BG』が3位




各ドラマに1回でも接触したUU数


1位『99.9』が485人。接触率20%超

2位『BG』の421人(17.5%)

3位『アンナチュラル』で389人(16.2%)

4位以下はすべて200人台で、3強が他より群を抜いていたことがわかる。


質的評価

満足度と次回見たい率がある。


満足度。

自発的に見た番組について、5段階で評価

ドラマの場合、平均値は3.6~3.7となっている。


1位は5話平均で4.03の『99.9』

2位は6話平均3.99の『アンナチュラル』

3位は6話平均3.66の『もみ消して冬』



次回見たい率

「絶対見る」「なるべく見る」「見るかも知れない」「たぶん見ない」「絶対見ない」の5段階で評価


1話平均297点の『99.9』が1位

205点の『アンナチュラル』が2位

『BG』が195点で3位


一話完結型か?連続物語型か?

以上5指標から見ると、11ドラマは二極分化していることがわかる。

画像

質量評価のうち両方とも、あるいはどちらかで高く評価されているグループと、両方ともいま一つのグループだ。

特に5指標すべてで1位の『99.9』と、すべて2~3位となった『アンナチュラル』は、質量ともに高評価の成功ドラマといえよう。



実は最近、一話完結型ドラマが増えており、大ヒット狙いの連続物語型が減っているのは問題とする意見が散見される。

今クールでは、『99.9』『アンナチュラル』『BG』『もみ消して冬』など平均視聴率が二桁のドラマは、全て一話完結型で、かつ事件・問題解決型でもあり、これが問題だというのである。

これらは「予定調和を楽しむためのドラマ」「リアルタイムで気軽に見るのにちょうどいい」「1~2話見逃しても気にならず、また次週見られる」から、視聴率につながりやすいとされている。そして「“毎回ゼロからのスタート”のため、記憶に残りにくく、カタルシスも一定のラインにとどまる」と、マイナス面が批判されている。

つまり一話完結の事件・問題解決ドラマは、「人々の心を揺さぶる大ヒット狙い」ではなく、「失敗のリスクが少ない小ヒット狙い」で、これにより“こぢんまりとした作品”が増え、似たようなドラマばかりと思われやすい状況が生まれているというのである。 

ドラマの良し悪しは表現形式では決まらない

しかし筆者は、こうした批判に必ずしも同意しない。ドラマの良し悪しは表現形式で決まるのではなく、内容そのもので評価されるべきと考えるからである。


……「予定調和」で「記憶に残りにくく、カタルシスも一定のラインにとどまる」“こぢんまりとした作品”かと言えば、決してそんなレッテルを張ることはできない。

例えば『99.9』は、満足度でも次回見たい率でも、堂々の1位をとっている。


『99.9』の強さの秘訣

………今回の『99.9』も、圧倒的な逆境は刑事裁判の有罪判決率99.9%という現実だ。警察組織を動員して作り上げた検察のストーリーを、法廷内を中心に世界を見る判事は追随しがちだ。いわば国家権力を相手に、逆転が極めて困難な中、残された0.1%の可能性にこだわって、地道に事実を追求する物語が多くの視聴者の耳目を集め、かつ感動を呼んでいる。

しかも同ドラマはサービス精神旺盛だ。

まず主演・松本潤を初めとして、出演者が魅力的だ。………


もう一つ特筆すべきは、細かい小ネタ・ダジャレなどのセリフ・小道具などに、面白い遊びが散りばめられている点だ。その小細工をいくつ集められるか、楽しみにしている松潤ファン・日曜劇場愛好家・ドラマ通が少なくない。


……………


エンターテイメントに徹するこうした演出は、決して“小ヒット狙い”の姑息なやり口と批判されるべきものではない。

………

ここ数年、「リアルタイム視聴率だけでドラマを評価するのは如何なものか」という声が大きくなっている。

筆者も全く同感である。しかし時代は既に多くの評価指標が登場している。

視聴率の多寡、しかも所詮誤差の範囲に過ぎない些末の数字の上下を問題にするマスコミや、商取引の慣習こそが問題であり、ドラマというジャンルを正しく評価していく術はたくさん出来ている。

これらを動員すると、批評家の単なる主観ではなく、データに裏打ちされた評価が可能となる。業界はもう少し、こうした努力を払ってもらいたいものである。