空が白みかけた頃、携帯のアラームに目を覚ましてストーブを点ける。


じわじわと暖まり始める室内。灯油ストーブの明かりに照らされた壁に一瞬、せわしない影が映った。

まったく、この客人は早起きだ。もう朝の体操をパタパタと始めている。
今度こそ、出て行っていただこう。幸い色々と落とし物の多い我が家のことだ。あれだけバタバタ飛び回って、何かしら食事も取っただろうさ。

大きい窓を開けようと近寄ると警戒して逃げるため、屋根裏の小さな明かり取りの窓を開けた。


風が入って寒い。ゆえに、空気の入る場所に気付いたらしい。
彼は比較的物静かな羽音で明かり取りの桟に着地すると、こちらを一瞥して、ふいと頭を垂れたように見えた。

そんなまさかと目を擦ると、もう雀は窓の隙間から、朝靄の彼方へ飛び去っていた。


小鳥に一宿一飯の恩義など感じていただいても仕方ないのだけれど、大したもてなしも出来なかったのを今となっては悔やむ次第である。

ま、発つときはすこぶる元気そうで良かったのだが。