EUROPE 「THE FINAL COUNTDOWN」 | BIRKENHEAD ERKY 旧ブログ 2006~2013
 
イメージ 1
 
EUROPE 「THE FINAL COUNTDOWN」
 
EUROPEはHM/HRファンにとっては勿論、一発屋ではありませんが、世間一般的には「ファイナル・カウントダウン」だけの一発屋のレッテルを貼られています。
EUROPEを知っている人にとっては一発屋ではなくても、世間一般の人々が一発屋だと感じているのなら、それが一発屋ですから、 EUROPEは、間違いなく“ファイナル・カウントダウン”だけの立派な一発屋です。

ギターのジョン・ノーラムはロック好きですので、ポップス・アルバムだった「ファイナル・カウントダウン」を嫌っていますが、私もロック好きですから、ジョン・ノーラムの気持ちが痛いほどよく分かります。

クオリティーの高い楽曲が並ぶアルバム「THE FINAL COUNTDOWN」はポップ・ミュージックとしては非常によく出来た完成度の高い優れた傑作ハード・ポップ・アルバムではありますが、しかしそのことにより真にハード・ロックを求めるリアル・ハード・ロック・ファンの心は離れていってしまいましたし、メロディアス・ポップ・ナンバーでモンスター・ヒットを飛ばしたおかげでEUROPE自身もその後、歯車が狂ってしまいました。
 
「ファイナル・カウントダウン」が大ヒットしたことによりEUROPEは次から売れなくなってしまいました。
なぜならハード・ロック・ファンはもうEUROPEは買わなくなりましたし、かと言って「ファイナル・カウントダウン」を喜んで買ったような一般の人々は、たとえどんなにヒット狙いの売れ線であろうともわざわざEUROPEの新作を買ったりしませんからね。
 
「ファイナル・カウントダウン」の大ヒットとひきかえに失ったものは計り知れません。
なにせ、「ロック・ファン」と「ロック好きのジョン・ノーラム」を失ったわけですから。
これは文字通り致命的でしたね。
 
近年、EUROPEはハード・ロック路線に戻したものの、すでにハード・ロック・ファンは去ってしまって、もういませんし、EUROPEを聴き続けるファンは「ファイナル・カウントダウン」のようなメロディアス・ハード・ポップを求めるメロディ愛好家の人達が中心になっていますので、いくらEUROPEがハード・ロッ路線に戻ってもなかなか正当な評価は得られていません。
バンドがやりたいものとファンが求めているものとの間に大きなギャップが生じているわけです。
 
EUROPEがどんなに素晴らしいハード・ロック・アルバムを作り上げたとしても、世間は「あ~、あのファイナル・カウントダウンのヨーロッパね。」で、聴かずに終わるだけで、今更ハード・ロック・ファンがEUROPEを聴いたりしませんからね。
かくして現在もEUROPEを聴き続けている人は一部のメロディ愛好家HM/HRの人達だけになっています。