STONE TEMPLE PILOTSチェスター・ベニントンが語った | BIRKENHEAD ERKY 旧ブログ 2006~2013
 
 
 
 
祝・ジャスト20年ぶりの再来日!
チェスター・ベニントンがSTPを語った!!
 
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改めて言うまでもなく、STONE TEMPLE PILOTSの再来日が実
に20年ぶりに実現した。LOUD PARK 13初日トリを飾り、一日置
いて大阪でのみ単独公演を行った。ここにある独占撮り下ろし
写真はLOUD PARK 13の現場で出番の数時間前に撮られたもの。
そしてまず最初に読んでもらう、このチェスター・ベニントンの対
面取材は大阪公演開演前に会場の楽屋で実現したものだ。
そのとき広々とした楽屋に、チェスターはぽつんとひとりでいた。
パッと見、とてもリラックスしてるように思えた。周りはとても静か
だ。挨拶しながら握手をした瞬間、彼は満面の笑みを浮かべた。
まさに絶好の環境のなか、話は始まった。

http://www.grindhouse.jp/img/interview/STP/STPChester1.jpg
 
――2ヵ月前にサマソニ参戦でLINKIN PARK(LP)できたばかりだけど、今回は
STONE TEMPLE PILOTS(STP)の一員としての来日だね。LOUD PARK 13で
のパフォーマンスじゃとてもハッピーそうだったのが、とも印象的だったよ。
「今回の来日も楽しんでるよ。LOUD PARKはすばらしい経験だった。特に日本じゃ
STPのライヴを観たことがない人が大半だと聞いてたからね。スゴく熱心に見入っ
てくれてた。みんなの“S・T・P! S・T・P!”の大合唱を聞き、オレたちはうまくやってる
んだなって実感できたよ」

――LPをはじめ、STPも間違ってもメタルバンドじゃないじゃない。だけどLOUD
PARKはピュアなメタルフェスティバル。いつもとは対峙する観客たちが違ってた
わけだけど、ライヴ中にそれを意識した?
「まあ、そういう状態には慣れてるから。オレもSTPもLPもメタルバンドだとは思っ
てないけど、メタルツアーには過去何度も出た経験があるしさ。STPもLPもメタル
のライヴに居場所があるというわけじゃないけど、どんなステージを与えられても
うまくやれる自信はあるよ。どこにいっても最高のライヴを見せるだけだから。その
日ほかの出演バンドがどんなタイプの音楽を演ってても気にしないよ。どのライヴ
もアプローチの仕方は変わらない」

――変わらない…少なくともLOUD PARKのチェスターの動きを見たとき、自分は
LPのときとは違うって思ったけど(笑)。
「やはりSTPとLPじゃ音楽性が違うから、多少はね(笑)。LPんときとDBSんときと
STPのときとじゃ、自然に身体の動きが異なってくるところがある。自分じゃあまり
考えなくて、音楽の赴くままに身体が反応してる感じ。LPの連中はいつもオレを見
て笑ってるよ(笑)。演奏してるときとか、ただジャムってるときとか、オレがいつもヘ
ンな踊りをしてるらしいんだ(笑)。とは言え、STPのときはこう動こうとか、LPのとき
はこうしようとかって、あまり考えないんだ。ただステージに出ていき、歌いながら
自然に身体を動かしてるだけさ」

――本番前の楽屋の雰囲気も全然違うよね、STPとLPとDBSとじゃ。LPのときは
緊張感が高く、ピーンと張り詰めたものがあるけど、STPとDBSんときにはそういう
ものがまったく感じられず、みんなリラックスしまくってるっていう感じがするよ(笑)。
まぁLPは超巨大な存在だから、あの雰囲気にも納得がいくけど…。
「っていうか、それぞれのメンバーのヴァイブが違うからね。LPがああなのは、あれ
がオレたちのメンタリティだから。ああいう方が一番うまくいく。誰にも邪魔されたくな
いヤツもいるし、気を散らされたくないヤツもいる。だけどDBSの場合は、妙に明る
い口調で“(訪れたゲストたちに)やぁ、いらっしゃい。オレたち気にしないよ”って感じ
になる(笑)。つまり各バンドメンバーがなにを望んでるかさ。LPじゃ自分たちのやり
方っていうのが確立されてて、メンバー全員の意向が取り入れられてる。それはSTP
もDBSも同じさ。STPは極めてメロウ。ただ、彼らは何年もリラックスしたライヴなん
て演れてなかったと思うけど。それをオレが知ってるのは、そう聞かされているから。
ロバート(・デレオ/b,vo)が“ふぅっ”て溜め息をついてたりする。で、“大丈夫かい?”っ
て訊くと“大丈夫、なんの心配もしてない”って言うから。今はハッピーでリラックスし
た気楽な雰囲気があるよ、STPには。以前心配してたことをもう心配しなくてよくなっ
たからさ。普通にライヴを演ることができる、オレがちゃんと歌うってわかってるから。
ファンもプロモーターもそこにいて、オレたちがやることをなんかワクワクしながら待っ
ててくれるってわかってる。だから極めてメロウなんだよ、漂うヴァイブが。違う仕事
環境にいるとこっちのアティテュードも一緒に働く人たちに合わせて変わるよ」

――LP、DBS、STPでの雰囲気の違いを楽しんでる?
「実はどれもけっこう似てはいるけどね。インタラクション(=相互作用)なんかは特に
大きな違いがあるわけじゃない。ただ、DBSの場合はライヴの後で(ゲストの)誰が楽
屋に戻ってきたかとか気にならなかったけど。だからオレは全体でひとつの仕事とし
て見てるよ」

――2001年のFamily Values Tourのニューヨーク州オーバニー公演のとき、STPの
ライヴに飛び入り参加したじゃない。あれは自分としても、今もスゴくイイ思い出として
残ってるんだ。
「あんときはさ、スコットに引っ張られるままにステージに出ただけなんだけどね (笑)。
計画すらされてなかったから。“もしよかったらライヴを観においで”とは言われてたか
ら観にいったんだ。そしたらスコットがステージ袖で観てたオレの方に向かって歩いて
きて、手にはマイクを持ってる。そのマイクをオレに突き出し、オレをステージに押し出
したんだよ。どうしたらイイかわからなかったさ。“しまった、歌詞憶えてないかもしれな
いぞ”って感じだった。だけど、それから後は毎晩引っ張り出されてたよ(笑)」

――以前からSTPのファンだって言ってたよね、影響も受けてるって。それゆえFamily
Values Tourでの飛び入り参加はまさに感無量だったと思うけど、まさかそれから10年
以上経った今STPで歌い、一緒に音源を制作し、ツアーにまで出るなんて思いも寄らな
かったでしょ?
「うん、想像すらしたことなかったね(笑)。確かにワイフには9、10年近く前、STPの内部
でいろいろ問題が起こってた頃“STPの連中がいつオレに連絡してきても驚かない”なん
て冗談で言ったことはあるけどさ(笑)。で、その後ホントに連絡があった。だけどLP以外
になにかやろうなんて、本気で考えたことなんて一度もなかった。DBSですら自然発生
的なもので、LPのやってることに合わない音楽を世に出すべくやったから。だけど連絡
をもらい、“一緒に前に進んでほしい”と言われたのは嬉しいサプライズだった。今、加入
してしばらく経って、一緒に音楽を作ったりツアーをしたりしてみて思うのは、これから長
い間STPをやっていくんだろうなっていうこと。たくさん曲を作り、ライヴも演って…できる
だけLPと同じような取り組み方をしていきたいと思ってるんだ」

――STP側からのアプローチだったんだね。
「そう。STPは前に進む決断をし、スコットをクビにした。そしてオレのところに連絡がきた
からYesと言ったんだ。とても早い決断だったよ。スコットがクビになってからそんなに経っ
ていない頃だった。“音楽を演りたい、ツアーも続けていきたいけど、加入して歌う気はな
いか、STPとしてやっていく気はないか?”って訊かれたんだ。“もちろんさ、きっと大いに
楽しめるだろう”って答えたよ。オレ自身が考えてたことじゃなかったし、オレのレーダー
にも引っかからなかったことだったけど(笑)。今こうしているなんて、時折とてもトリッキー
だなって思うよ」

――電話がかかってきたときの気持ちって今も憶えてる?
「うん。最初はエキサイトしたけど、その後すぐに“待てよ”ともなった。ストレスフルな立場
になるということでもあるからね。多くの疑念を呼び起こすことは間違いないだろうし、楽し
みにしてくれる人たちもいるだろうけど、最悪な話だと嫌悪し、それを周りに言い回る人た
ちもいるだろうから。一番の懸念は、LPのみんながcoolだと思ってくれるかどうかというこ
とだったけど、みんな本当にサポートしてくれてるんだ」

――STP側に最終的にOKと伝える前に当然、LPのメンバーには相談したんでしょ?
「もちろん。みんなの祝福を受けたかったからね。“Go for it! (頑張れ)”って言ってくれたよ」

――Go for it! ね(笑)。
「じゃなきゃ今オレはSTPにはいないさ(笑)。もしNoと言われてもやるんだったら訊く意
味ないじゃん(笑)。DBSでも同じような感じだった。“こういうことをこういうヤツらとやり、
自分の作品を作りたい”って説明したんだけど、みんな応援してくれた。LPのメンバー
は互いに信頼とリスペクトの気持ちを持ってる。だからその信頼とリスペクトを光栄と
感じてる限りは大丈夫だと思うよ」

――メンバーの誰からもクレームは出なかったと(笑)。
「まぁ、みんなのなかに多少は懸念があったとは思うよ。“みんなをハッピーにしたいと
いうその気持ちを利用されないように”というようなことを、まず言われたんだ。そして
“もちろん、成功させたいんだろうから時間をちゃんと考えてな”とか“LPの外でそんな
に多くの時間を割いて大丈夫か?”ともね(苦笑)。家族と過ごす、私生活の時間を削
ることになるから。そういう健全な懸念はしてくれたけど、オレがやるかやらないかは
当然オレ次第だって。“オマエには自分のことを大切にしてほしい”とも言われたし。オ
レが他人に利用されることなくハッピーになるのを望んでくれてるんだよ。とても嬉しい
反応だった。で、最後はみんなに“きっと楽しいものになるね”って言われたよ」

――マイク(・シノダ/vo,g,key)もかつてFORT MINORを
やり、最近じゃ映画『ザ・レイド』(2012年)のサウンドトラッ
クも手がけたけど、そういうときもマイクからチェスターや
ほかのメンバーたちに事前に相談ってあるものなの?
「やることなすことすべて相談し合うわけでもないんだ。
お互いリスペクトがあるから。マイクが自分の時間内で
FORT MINORをやるってことはわかってたから“楽しん
でくれ”っていう感じだったよ。問題にはならない。“cool
だな、イイじゃないか。だけど来週のミーティングには来
いよ”みたいな感じさ(笑)」

――巨大な存在になってるバンドって、そのメンバーの
誰かがソロプロジェクトをやったりすると、時折ほかのメ
ンバーからネガティヴな意見が出たりすることがあるじゃ
ない。「このバンドの活動だけに徹するべきだ」みたいな。
LPにはそういうのはないんだね。
「ないね。LPの活動の邪魔になり、物事を悪化させるよ
うなものは排除するだろうから。ハッキリ言うけど、もし
このSTPの活動がLPにとって問題になることがあったら
やらない。STPが前進するにあたり、LPのことは絶対に
変えないって宣言したんだ。計画は変えない。STPのツ
アーのためにLPがツアーをしないなんてことはない。
STPのスタジオ活動のためにLPがスタジオ活動をしな
いということもない。そんなことはあり得ないって。STP
のみんなも、活動する時間が限られてることは理解し
てくれてる。それに、家族との時間も必要だからね。い
つでもというわけにはいかないんだ。だから時間を最大
限に活用するようにしてるよ。…正直、ワイフがバンドに
とって問題になったらそれはダメなことだよ。家族がバンドにとって問題になったら
ダメ。そういう状態は直さないといけない。オレが今やってることはものスゴく大切
なことなんだ。いろんな人たちの生活がかかってる。バンドのなかでもお互い頼り
合ってるし、その信頼を邪魔するようなことはしないつもりさ。どのバンドのどのメ
ンバーも、それは守ってる。だから誰とでもなんでもやるというわけじゃないんだ。
いろんな人たちが声をかけてくれるけど、選択的でなければならない。自分の人
生に迎え入れるものだからね。必ずうまくいくようにしないとね」

――ところで、今なんで口ヒゲを生やしてるの(笑)?
「なんか口ヒゲを伸ばしたくなっただけだよ(笑)」

――音源でも、またLOUD PARKでのライヴでも感じたんだ、チェスターがSTPの
一部になってるって。決してLPのチェスターをやるんじゃなくって。これってある程
度は意識してのこと?
「今までどおりに歌ったよ。STPのライヴにいき、彼らを観てる観客のような気分で
ね。ワイフと一緒にSTPのライヴにいくと、オレが全曲歌ってるからクレイジーにな
りそうだって言われるんだ(笑)。オレは、STPのみんながその曲に相応しいと思っ
て作ったやり方で歌いたいんだ。曲の内容やヴァイブをオレに合わせさせるつもり
はない。その曲に相応しい形で歌いたい。STPのライヴを観にくる人たちが望む形
を見せたいんだ。新曲じゃ自分らしさを少しは入れられると思うけどね。なんたって
“オレたちの曲”なんだから。古い曲はバンドに合わせて歌ってる観客の気分で、あ
るべき形で歌ってる。そして、新曲じゃクリエイティヴな面でもっと自由にやり、自分
らしさを入れてるよ」

――EP『HIGH RISE』で一番好きな曲は?
「うーん…好きな曲を選ぶのは難しいね。フル作なら3、4曲同じヴァイブの曲が続く
こともあるからそのなかで一番好きなものを選べばイイけど、今回はどの曲もまった
く違うからね。初めて今のメンバーで書いて録った曲たちだから、どれもとても特別
な位置づけなんだ」

――個人的にはアッパーな”Out Of Time”もイイし、”Same On The Inside”は歌詞
が好き。“Cry Cry”はfun songだし。
「ありがとう。“Cry Cry”はスタイルが従来のSTPのものからちょっと分かれたと思うね。
オレが大半の部分を書いたのが大きかったと思う。基本のリフはオレが書いたから。
もちろん、残りはディーン(・デレオ/g)やロバートがいろいろ足したけど。オレがSTPの
音楽的一員になれたと思える曲さ。ほかの曲はディーンとロバートがメインで書いた
ものだから。うん、“Cry Cry”は楽しい曲だよね」

――今後の予定は?
「11月と12月はSTPのライヴがあり、それが終わったらLPのメンバーと一緒にスタジ
オに入る。曲作りのためにね。11月から来年1月にかけてはいろいろやることがある
けど、バンドマンじゃなくてただの人になる時間も作りたいね。音楽のことは忘れて家
族と過ごす時間を楽しみにしてるんだ。ワイフと子供たち以外のことは考えない時間
にしたいね」

――そういうリラックスする時間って絶対に必要でしょう。
「うん、なにしろいろんなことが起こってるからね。たくさん仕事しないといけない。とき
には1日でSTPとLPを掛け持ちすることだってあるから。家に帰ったら父親をやらない
といけないし。だからちゃんとチェスターでいられる時間をとるようにしないといけないん
だよ(笑)」
 
 
 
 
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