メタルに関する疑問(完全回答編) | BIRKENHEAD ERKY 旧ブログ 2006~2013
 
 
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「ヘヴィ・メタル? 興味はあるけど、なかなか聴く機会が・・・」と思っているそこのあなた!
ぴあは、皆さんにヘヴィ・メタルの魅力を知ってもらいたいという思いから、
国内唯一のヘヴィ・メタル/ハード・ロック専門誌「BURRN!」とタッグを組みました。
この秋は、注目の公演も満載!さあ、新たなる世界の幕開けです!
 
 
 
メタルに関する素朴な疑問を「BURRN!」編集部の方々に率直に投げかけてみました。これを読めば、「メタルとは何か」が一目瞭然です!
 

 
メタルってそもそも何!?

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1950年代に生まれたロックン・ロールは1960年代に大きく進化し、その中からハード・ロックというジャンルが生まれ、若者に支持されました。ところが1970年代後半、パンクが台頭してハード・ロックは古臭いとされ、それに反発した1970年代末期の英国ジャーナリストが「新時代の若者によるハード・ロック」をあえて「ヘヴィ・メタル」と呼んでムーヴメントを起こしたのです。ここからヘヴィ・メタル、略してメタルという言葉が普及し始めました。(広瀬)
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レッド・ツェッペリン
1968年デビューのレッド・ツェッペリンは、当時のヘヴィ・メタルの代表格。
 
 
 
 

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↑上の回答、言っていることはあながち間違ってはいないのですが、なにせ言葉足らずで説明不足ですので、意味がよく分からなくなっています。
これ読むと「なんでZEPがヘヴィ・メタルの代表格なんや?」で終わってしまいます。
 
70年代、ハード・ロックのことをたまにヘヴィ・メタルと呼んでいましたが、80年代初頭に英国で流行したスピーディでアグレッシヴな新種のハード・ロックのことを、新しいヘヴィ・メタルということでNEW WAVE OF BRITISH HEAVY METALと名づけたことから、ヘヴィ・メタルという言葉が広まっていきました。
 
その後、近年になって、海外では新しいヘヴィ・ミュージックをメタルと呼ぶようになったのをきっかけに、以降、メタルという言葉が定着していますが、日本でメタルと言えば従来通りのヘヴィ・メタルであり、メタルとヘヴィ・メタルは同義語です。
 
 
 


 
 
ヘヴィ・メタル(HM)とハード・ロック(HR)の違いは?
本来両者に音楽的な違いはありませんでした。ただ1980年代以降どんどん先鋭化していったヘヴィ・メタルには、もはやハード・ロックという呼び方が似つかわしくないのも事実。ということで、今では、ハード・ロックが1980年代以降より先鋭化したものをヘヴィ・メタルと解釈することが多いようです。(広瀬)
 
 
 
 
 
ヘヴィ・メタルもハード・ロックも多種多様で様々ですので、どのヘヴィ・メタルとどのハード・ロックとの違いを述べたらいいのかを指定してもらわないと答えようがないです。
例えば、メタルは当初、スピーディでアグレッシヴな新種のハード・ロック、つまりメタルはハード・ロックの一種でしたが、80年代後半のヘビメタ・ブーム時代のヘビメタ(ヘア・メタル/ポップ・メタル)はハード・ポップが多く、ハード・ロックは少なかったという事実からも分かる通り、一口にメタルと言っても、ハード・ロックと同じものもあれば、違うものもあり色々ですからね。
 
なお、ヘヴィ・メタルとハード・ロックの違いについての詳細は一番下に書いてますので参照してください。
 
 
 
 


 
 
メタルって、どんな音楽なの?
血湧き肉躍る鋼鉄魂の熱き音楽! その他、一緒に歌いたくなる音楽、暴れ出したくなる音楽、エアギターをやりたくなる音楽、頭を上下に振りたくなる音楽、アクセルを踏み込みたくなる音楽、お酒が進む音楽等々、受け手によって様々な身体行動があることでしょう。(奥野)
 
 
 
 
 
↑上の回答は抽象的なイメージ論だけで終わってますね(笑)。
前述した通り、80年代初頭のメタルはスピーディでアグレッシヴなハード・ロックでしたが、80年代後半のヘビメタ・ブーム時代のヘビメタ(ヘア・メタル/ポップ・メタル)はポップでキャッチーなハード・ポップ音楽が多く溢れ、以後も日本では引き続きメロスピ/メロパワ、メロハー、ネオクラ、様式美等のハード・ポップ音楽が人気を保っています。
つまり、メタルには「ハード&ヘヴィーなロック」と「ハード&へヴィなポップス」の違う種類の音楽が存在しています。
そのため上のような漠然とした曖昧な回答しかできなくなっているわけです。
 
 
 
 


 
 
メタルって、どこで流行ってるの?

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英国を起点に世界中に広まったメタル人気は、まさにグローバル。かつて北米市場の動向が世界を左右していましたが、今は欧州や南米のメタル熱が目立ちます。そんな中で我が国は独自のマーケットが形成されており、1990年代には“ビッグ・イン・ジャパン”現象が話題となりました。(広瀬)
 
 
 
 
アメリカのバンドを中心とする海外で言うメタル/世界で主流のメタルは世界的にグローバルな人気を博していますが、同時に日本で言うメタル/オーソドックスなメタルも人気を保ってるのは南米、ヨーロッパ、日本です。
ただし、BURRN!誌を中心とするいわゆる日本のHM/HRファン/シーン/マーケットは日本で言うメタル/オーソドックスなメタルに偏っています。
なお、北欧は人口が少ないということもありますが、BURRN!誌が以前から言っている通り、BURRN!誌で人気の北欧やドイツ等の日本人好みのメロディック・メタル・バンドの主戦場は日本であり、上でも触れている“ビッグ・イン・ジャパン”バンドの存在がよく知られています。
 
 

 
 
メタル初心者だけど、何から聴けばいい?

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まずはJUDAS PRIESTかIRON MAIDENは必聴でしょう。それ以前のハード・ロックの真髄を知りたければRAINBOWの「RISING」。より現代的なメタルならMETALLICAの「MASTER OF PUPPETS」。北欧メタルはEUROPE、LAメタルはMOTLEY CRUE、ジャーマン・メタルはACCEPT、ジャパメタならANTHEMあたりからぜひ。(広瀬)
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ジューダス・プリースト 『復讐の叫び』
品番:SICP-30375
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
 
 
 
 
 
↑もう30年以上も前のバンド、アルバムがほとんどですので、これだと結局、なんだ~、メタルってのはしょせん過去の音楽じゃないかと思われるだけなんですよね~
まあ、BURRN!誌が言うメタル/BURRN!誌好みのメタルはずっと大昔のバンドに限定されてしまうので予想通りではありますが。
 
 
私ならASKING ALEXANDRIA、AMITY AFFLICTION、FIVE FINGER DEATH PUNCH、TRIVIUM、PARKWAY DRIVE、MASTODON、DevilDriver、BRING ME THE HORIZON、LAMB OF GOD、THE DEVIL WEARS PRADAなどを薦めます。
 
 
 

 
 
“ヴィジュアル系”って、メタルじゃないの?

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ヴィジュアル系の元祖X JAPANはメタルでしたが、彼らの大成功でヴィジュアル系という邦楽ロックのジャンルが生まれました。音楽的にもX JAPANに近いメタル系サウンドを出すバンドもありますが、彼ら自身はメタルと思っていないことが多いようです。(広瀬)
 
 
 
 
 
BURRN!誌の言うメタルは、当たり前のように「ハード&へヴィなポップス」「ハード&へヴィな歌謡曲」を含んでいますから、当然、ヴィジュアル系もメタルになるわけですね。
 
 
 
 
 
 
 
 

ヘヴィー・メタルハード・ロックの違い

 
HMHRの違い」・・・よく言われるテーマですが、一口にヘヴィー・メタルハード・ロックと言っても人により思い描いているヘヴィー・メタルハード・ロックが異なりますので回答も異なります。


60年代末、ブルース・ロックの音がデカくなったのがハード・ロック・・・【ハード・ロック】
当初、ヘヴィー・ブルース・ロックだったが、その後あからさまなブルース色は徐々に後退、
70年代中頃からはハード・ロック
らしいハード・ロックに・・【ハード・ロック】

 
80年代初頭のヘヴィー・メタル(NWOBHM)は、70年代ハード・ロックの深みを排除し、勢いを重視したスピーディーでアグレッシヴな新種のハード・ロック・・・ヘヴィー・メタル

 
80年代中頃からのヘヴィー・メタル・ブーム時代のヘヴィー・メタル(グラム・メタル、ヘア・メタル)はポップ&キャッチーなハード・ポップで、今ではポップ・メタルと呼ばれている・・・【ヘヴィー・メタル】
ただし、80年代メタルをハード・ロックと言う人も多い・・・【ハード・ロック】

 
NWOBHMで言うところのヘヴィー・メタルの延長、発展型に当たるのが80年代アンダーグラウンドのスラッシュ・メタル・・・【ヘヴィー・メタル】

 
ハード・ロックと言うとメロディアス・ハード(メロハー)のことを指していることがあるが、これはメロディアス・ハード・ポップであり、80年代ヘヴィー・メタル・ブーム時代の80年代メタル=ポップ・メタル【ヘヴィー・メタル】と変わらない・・・ハード・ロック

 
アンダーグラウンドでは細分化した様々な形態のエクストリーム・メタルが発展・・・【ヘヴィー・メタル】

 
90年代に登場した新種の70年代型ハード・ロックがグランジで、その延長が今の現代ハード・ロック・・・【ハード・ロック】

 
80年代メタル=ポップ・メタルの延長に当たるのがメロスピ/メロパワ/メロデスやゴシック/シンフォニック・メタル等のメロディック・メタル・・・【ヘヴィー・メタル】



 
以上、同じ【ヘヴィー・メタル】ハード・ロック】でも、どの【ヘヴィー・メタル】 【ハード・ロック】を指しているかにより内容が異なりますので、ヘヴィー・メタルハード・ロックの違いは一概には言えません。

 
 
 
なお、海外においては、現在は、
メタルのアイデンティティを感じるもの、メタルのアティチュードをアピールしているものがメタル(あまりヘヴィー・メタルとは言わない)で、
そうでないもの(メタルのエンターテイメント様式に沿っていないもの)が
ハード・ロック
という漠然とした大まかなものになっています。