TOVレイヴンお相手
※名前はシエラで固定♀






「レイヴン、無理しないで」
「無理なんかしてないわよー」


こんな会話を繰り返す。
心配そうにこちらを見るシエラを笑顔で下し、俺はそっと彼女を抱き寄せた。


「……痛くないの」
「ん?……どうかねえ」

「痛いなら痛いって言って。そうやってはぐらかすの、レイヴンの悪い癖だよ」



…だって、な。シエラ。
もうはぐらかす事に慣れすぎて、罪悪感すら感じなくなってきたんだ。

痛い、痛いさ、すごく痛い。
魔導器の無くなったこの世界で、作り物の心臓はどれくらい保つのだろう。


「……ね、シエラ」
「………うん」
「痛い、……心臓が痛い…」



そのままぐっと彼女を抱きしめ、この温度を忘れないようにとただただ掻き抱いた。
今まで、こんなにも生というものに執着した事は無かった。
アレクセイに従って彼女らを裏切り、そのまま死ぬつもりだった。
死にたいと思っていた、のに。



「シエラ…」



明日が怖い。

シエラの顔を見られなくなるのが怖い。


俺は、



「……生きたい…」



一度死んだ身、いつそれが訪れてもいいと腹を括ったつもりだったのに。
彼らと出会って、シエラと出会って、俺は死人には必要のない生に対する執着を見出していた。
滑稽だと笑えばいい。

それでも俺は、



「生きたい…まだ、っ、生きたい…!」



この理不尽な、大嫌いだった世界で、俺はまだ生きていたい。
紛い物の心臓でも良い、鼓動を刻み、ただシエラの隣に居たい。
いつ消えるか分からない命を抱え、俺はまた今日も強く願うのだ。





ただ切に、“生きたい”と。








閉ざされ震えた命の灯。
(奪い奪われ、輪廻に見付け出した明日の光)