※グロ注意。表現の練習






「お前をころそうか、」

ぐちり、すぐそばで肉が裂ける音がする。
すぐに痛覚が反応したのか、肩が熱を持ち、じくじくと痛み出した。
壁に縫い付けられた様に身動き一つできず、右肩には一本の長刀。
霞む視界でその刀身を辿れば、揺らめく黒と、たなびく銀。
暗闇に光るペールグリーンの瞳を睨むように見つめれば、その男はふんと鼻を鳴らした。



――こぽり、
男の背後、液体に満たされたチューブの中に浮かぶ、“かあさん”
目の前の男を飛び越えてその“かあさん”を見つめ、私は目を細めた。
“JENOVA”
そう彫られたプレートを忌々しげに見つめていると、男は私の視線に気付いたのか、同じように“かあさん”を一瞥した。


「母さんが気になるのか」
「なにが、」
「細胞を埋め込まれているのはお前も同じだろう」
「…あれが、“かあさん”なの」
「ああ。私の、…私たちの母さんだ」
「……そう」


息をするのもやっとだった。
最後に吐き捨てるように呟くと、視線をチューブから銀色へと移す。
そして口元に精一杯の嘲笑を浮かべて、言葉を紡いだ。

「…ずいぶん、悪趣味ね」

ぶち、
肩に刺さったままの刀が肉を抉る音がする。
みしみしと音を立てるそこは、神経がイッたのか、失血死寸前だからなのか、もう痛くはなかった。

――きっと刀を抜いたら、血が飛び散るんだ。

そうぼんやりと思う事さえ出来る。
こぽり、喉を逆流してきた血液を飲み込み、私は笑う。


「――…ねえ、セフィロス」
「もし…助けて、っていったら、たすけて…くれる、かしら」
「……」


答えは無かった。
最初から期待なんてしてないわ。
私は朧気な視線を漂わせ、目の前の銀は動かない。
は、と小さく息をついた。



――こぽり、
まるで私をあざ笑うかの様に、チューブの中の液体が音を立てる。


「……私は、」
「セフィロス」


何か言い掛けたセフィロスの言葉を遮る様に、私は肩に突き刺さったままの正宗に手を伸ばす。
刃をぐっとつかみ、一気に肩から引き抜いた。


「っ、」


鮮血が散る。
肩口が熱い。
そんな感覚に歯を食いしばって耐え、切っ先を心臓の前に持ってきた。


「最期に、キスして、なんて…言わ、ないわ、だから」


私はそのまま勢いよく心臓に正宗を突き刺した。

「……ころ、して。」


キスミーなんて滑稽なので
(私をころして、)