曲伊咲が言い出して中見元太が乗った夜のお楽しみ会がなんやかんやあって天文部に衣替えする話。この転換が本作の面白いところで、私が大好きな『タッチ』、『ヤマノススメ』、『ぼっち・ざ・ろっく!』でもアニメ第一話で提示したテーマを一貫してる。でも作劇としての伏線は第一話で貼ってあっても「君ソム」は少年と少女の出会いの意味を私的な関係から、公的な立場にへの変換にこの第二話で成功した。
 しかも最初は隠れ家の天文台を快適な空間にしたいという曲と中見の他愛ないわがまま。でも活動が大きくなれば秘密がばれるのは当然の成り行き。その危機を救ったのが倉敷先生の言質をほ取った形の中見の天文部部員宣言。その前提として中見が「人に知られず逃げ込める場所」を必要とする理由を真面目に白状したこともあるが、前回の曲が持ってたスマホで助けを呼ぶことといい、いざとなれば機転が利くのが中見元太で。多分曲もその辺に気づいてるはずだから、機械に強いことも併せて曲が中身に惚れるのも納得。
 しかし倉敷先生、教頭先生、羽咋先生の言動から推察するに、陰の実力者は倉敷先生かと。私が真っ先に思いついたのは『機動警察パトレイバー』の後藤喜一。パト1などで第二小隊が思う存分活躍できるよう策を弄したように、九曜高校の保健の先生も不眠症で悩む二人の生徒のため、手練手管を尽くしたと憶測を。そして夜間の付き観測の場面に。そして初めての曲からの告白めいた台詞、多分前回知った入院してたと言う情報と合わせ、曲の真面目な眼差しに不穏を気づいたはず。でもこの第二話二度目の「てきとー言った」、そんな曲自身のはぐらかしに安堵したと思われ。
 第二話も本当に青春アニメ、恋愛アニメとして(別のアニメの決め台詞だけど)極上。このヒロインの死の影、危うさをはらみつつも死別の伏線にしなければ私好みの物語。

 

 

TVアニメ「君は放課後インソムニア」公式サイト (kimisomu-anime.com)