先月の10月5日から上げ続けてきた私の古典部シリーズSS、千反田えるが折木奉太郎と約束を取り付けた「事情ある古典部の末裔」まで書き終え、さすがに私も一服したくなりました。実際、「ぼっち・ざ・ろっく」のタイトルを回収した回、「次はどこへ行こう どこまで行こう 思えばきっとどこだって行けるよ」で終わった原作第4巻、アニメ第二期の『ヤマノススメ セカンドシリーズ』に似た状況と思ったから。私自身も『タッチ』のSSを再開したいと思うようになり、これからは気分次第、不定期の投稿にしたいと思います。

 

 ですので今日は解題です。

 

遠まわりする雛の裏側
 私が古典部シリーズ/氷菓で初めて書いたSSです。「お付き合いって不思議です」が正に降りてきました。しかし短編「遠まわりする雛」は千反田えるの台詞、「いいえ、もう春です」の後は「好きです、折木さん」が続くと原作を読む前に観たテレビシリーズ最終話で思っていて、今回のSSの第一話で成就した形。それは「小説『タッチ』」でもやってるように、「SSは捏造と補完」という私の決意表明で。それに最初に大枠や方針、帰結を示せば私のSSの性格がわかるし。私は純然たる恋愛ドラマにしたいと表明したつもり。

 

伝統ある古典部の再生、以前
 原作でもテレビシリーズでも明示はされていなかったと思いますが、千反田えると折木奉太郎の姉折木供恵、昔から知り合いとした方が合理的はと思って書いた回。奉太郎の神山高校合格を姉の供恵が「つまらない」と手紙に書いたのも、「自分の思い通りになった、なり過ぎた」と捉えられると思いました。

 

伝統ある古典部の再生
 だから地学準備室(古典部部室はアニメ版に倣いました)での千反田えると折木奉太郎との出会い、原作やテレビシリーズでの解釈とは違うものになりました。いくら折木でも情報がなければ他人の意図などわからない、そこに原作でもテレビシリーズでも心の声が謎にされている、千反田える版を書く意義があると思ったのです。なので折木供恵の助言により、初めて折木奉太郎と言葉を交わす千反田えるを、「演技する人間」としました。

 

遠まわりする雛、半年後
 しかし「遠まわりする雛」の最後を「いいえ、もう春です。好きです、折木さん」と捏造したので私のSSでは折木と千反田は恋人になった。ならば若い二人は当然性愛に発展するだろうと。でも省エネ主義の折木は奥手と思い、千反田が襲う形にしました。

 

遠まわりする雛、だいたい三か月後
 半年後を予め示した後、少し遡って三か月から。ここで初めてオリキャラを出しました。千反田えると折木奉太郎の間に入る女性として、実は千反田家に出入したことがあるえるも旧知の女性、だからこそ千反田家の跡取りを目指す奉太郎に必要な人間と設定しました。

 

遠まわりする雛、だいたい四か月後
 そしてやっと性愛が続く章です。初めは千反田えるの一人遊び。しばらく全年齢の話が続いてえると奉太郎のいちゃつき。若い二人、しかも互いに相手からの好意をわかっているので、えるは奉太郎の想いを全て受け止めたいと思ってるはず。でも奉太郎にとって千反田を継ぐことは相当に重いことと今さらながら気づき、少しずつでもいいから襲ってと告白した格好。私の千反田える像は折木奉太郎が書き手の原作ほど勘が鈍くないとしてます。ただ猪突猛進になると周囲の状況がわかっているのに止まらなくなると。そしてこの章で千反田えると折木奉太郎の関係を示せたと思い、オリキャラの決着をしてないですが一旦中断。

 

今日の改題はここまで。